『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 望ましくない食事介助がおこなわれている?

<<   作成日時 : 2005/09/30 23:04   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 46 / トラックバック 0 / コメント 10

現在、多くの病院や施設で望ましくない方法で食事介助がおこなわれています。
それは、上の歯で食べ物をこそげ落とさせるような食べさせ方です。

このような現実は全国的な状況だと考えていますが、いかがでしょうか?

実はこの夏、神奈川県内の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで働く介護の職員への研修をする機会がありました。
そこで確認してみると県内各地域からの約60人の参加者が全員そのような介助をしていたと答えたのです。

当施設の職員や実習生に尋ねてみると「養成校では生徒同士で食べさせ合ったりしたけど、望ましい介助や、してはいけないことについては教わらなかった。」という答えが圧倒的です。
時に「そのことは習いました」という人もいますが、ごく少数です。

以前、中高年の方を対象にした講座で食事介助の模擬体験と説明をしたときに
実母の介護経験のある参加者の方が目をうるませながら
「俺は母親に悪魔のようなことをしてしまった」と語られたことがあります。
「口の中にどんどん食べ物をいれられると、こんなに食べづらいとは思わなかった」
とおっしゃっていたことがあります。

介護保険下の施設では栄養ケアプランや高齢者ソフト食が話題になり
「何をどれだけ食べていただくか」ということが大きくとりあげられていますが
「どのように食べていただくか」ということが抜け落ちているように思われます。

じゃあ、何故上の歯でこそげ落として食べさせるやり方が望ましくないのかというと…
1.どうしても顎が上がってしまい、気道に食べ物がはいりやすくなってしまう
2.上唇を全く使わないで口の中の奥のほうに食べ物がはいってくるので舌を十分に動かせ       
 ない
3.このような介助に適応しようとすると「吸い込み食べ」
(メン類のようにすーっと啜って食べる)になってしまう           
4.「吸い込み食べ」は誤嚥をひきおこしやすい

こんな経験があります。
会話が成り立たないような重度の認知症をもつ人がいました。
ひとりは食事のときに舌をカメレオンのように出して食べ物をとりこみます。
もうひとりは舌顎を前に突き出すようにして食べ物をとりこみます。
このふたりとも、昼食とおやつの時とに介助にはいっただけで
口の中のリハビリなど何もしないでも
3ヶ月くらいしたら、きちんと上唇で食べ物を取り込むことができるようになりました。

このことは私にとっていろいろなことを教えてくれました。
おそらく以前の病院か施設では、上の歯でこそげ落とすような介助をされていて
それに適応した食べ方をしようとしてとんでもない食べ方を身につけたのではないか。
にもかかわらず、望ましい介助がされれば以前の食べ方ではなく新しい食べ方を身につけたのではないか。
ということは重度の認知症をもつとはいえ、ちゃんと学習しているということではないか
環境が不適切でも適切でも、とにかく環境に適応しようとしたということ…?
これはある意味、怖いことです…

以後、私は機会があるごとに伝えることにしています。
食事の介助のときは「上の唇がきちんと機能するように下唇か舌先にスプーンをのせ
          上唇が食べ物をとりこむのを待つ。
          取り込まれたら、スプーンは水平に抜く」
ご自分でゼリーやプリンを食べているところを
鏡で見ていただければよくわかると思います。
上の歯でこそげ落としたりせずに、上の唇で食べ物をとりこんでいるのが見えると思います。
そうすると舌が口の中で大きく動かす空間ができるのでしっかり食べ物を咀嚼することができます。
(咀嚼とは「噛む」ことだけでなく、食べ物を舌でだ液と混ぜ合わせる、飲み込みやすい    
ように形作ることが本来の働きです。)

実際のケアの場面では、大きなスプーンで山盛りの食べ物を上の歯でこそげ落とされて
口の中に入れられて食べさせられていることが多いようです。
こんなに食べにくいことはないです。

利用者にしてみれば、
小鳥のように口を開けていさえすれば、食べ物が落ちてきたという状態から
自分で取り込むまでは食べ物がはいってこないという状態に切り替わったときは
大変です。しばらくはなかなか上唇が動いてきませんが、大抵の場合はそのうちに
新しい方法を習得するようです。
それまでの間は職員も利用者もお互い大変ですが、それをのりきってしさえすれば大丈夫

この記事を読んだ方がひとりでも多く挑戦してくださることを願っています。






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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
あいかわらず記事UPの量がすごいですね。
ウチのおばあちゃんは、自分で食べる時もあるし、私が口に入れる時もあって、私が入れるときはまさに指摘されたやり方でやってました(-_-;)何か変だよね〜とは思ってましたけど、他に方法も思いつきませんでした…。やってみます!本当に勉強になります<m(__)m>
ルート
2005/10/01 00:16
ハイ、書きまくってます(笑)
いつもおつきあいくださってありがとうございます。

ルートさんにとっても、ルートさんのお祖母様にとっても
お役にたてればうれしいです。
よっしー
2005/10/01 14:17
以前、うちのリンから話を伺いました。
トロミの具合
や食事介助の仕方などをワーカーさん達に勉強会も開催してみました。同然自分も体験しました。
感想は、
「みんなトロミ付けすぎ!」「食べくい!」
上の歯でこそげ落とすと、上あごにトロミの強いお茶がくっついてしまって、取れないし飲み込みにくいしでビックリしました。

うちのケンシロウがシーティングの伝達講習を行う予定なので、また勉強会しようかな?
ラオウ
2005/10/02 00:27
リンさんの一生懸命なところが大好きです。
思慮深いところも尊敬してます。
(私は同性志向ではないので、変な意味はないです。
 ご安心ください。念のため。)

勉強会はいいですよね。
とくに、教えるほうが勉強になりますよね。
参加者にだって、プラスになるし…
おっと、こんなこと書くと
ケンシロウさんにおこられてしまうかな…
よっしー
2005/10/03 14:08
はじめまして。

現在看護助手をしてる者です。

私は不器用で、なかなか感覚もつかめず、食事介助のたびに同僚からはあなたの手つきが悪い(他の人ならきれいに食べさせてるのに私の場合は介助が下手なせいで食べ物をこぼしてしまう)、患者さんも食べにくそうにしてると指摘されます。

これを読ませて頂いて、頭では理解してるのですが、実際私がやるとなかなか・・・;

講習会はされてないのでしょうか?行っているのなら直接ダメ出しでも何でも受けられたらありがたいのですが。
足手まとい
2011/05/27 20:36
コメントありがとうございます。
このようなコメントを投稿するのはきっと勇気がいったことと思います。

私は現在、自分が主催する講習会というものは開催しておらず、別の機関が主催する講習会の依頼を受けているという状態です。
ご連絡先を教えていただけましたら、参加可能な講習会が開催される時にご連絡いたしますが、それでよろしいでしょうか?

それまでの間、とりあえずのアドバイスを差し上げるとすれば、「食べさせる」という意識から離れて「相手の食べ方に合わせる」という意識を明確に強く持つとよいかと思います。そのためには相手の食べ方をしっかりと観てください。相手の食べ方を阻害しないようにしてみてください。
そうすると、こちらの対応も変わってくると思います。

とりいそぎ、お返事を差し上げます。
speranza
2011/05/28 19:40
お返事ありがとうございます。
相手の食べる感覚にあわせる、とても大切なことですね。
相手のペースを見てるようで見えてないのか、相手のペースを見る力に欠けてるのか・・・。
食事介助は私にとっては一番難しいですね。
そして介助技術がある人や観察力がある人は超能力者ではないかと思うくらいです。

講習会に参加させていただけるならぜひお願いします。
足手まとい
2011/05/28 20:27
まだ講習会は未定ですが、アドレスを確認保存しましたので、リスクを考慮して記載部分のみ削除させていただきました。
speranza
2011/05/28 20:30
ありがとうございます。
何度も申し訳ありません。
今まで名古屋や京阪神といった遠方でも講習会をされてましたか?
関東でも今後講習会をされるのでしたら参加させていただきたいと思ってますが。
足手まとい
2011/05/28 21:11
メールでお返事して、うっかりとこちらはそのままになってしまいました。
私は全然有名ではないのでそんなに遠方で講習会をしたことはありません(^^;
参加していただけそうな機会がありましたら、ご連絡さし上げます。
speranza
2011/06/04 21:41

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