『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

アクセスカウンタ

zoom RSS ボールつき その3

<<   作成日時 : 2007/10/02 21:34   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3

…というわけで、じゃあボールつきができない人にはどうしたらいいか?

ということについて考えていることを書いてみます。
愛さん、お待たせしました(笑)

はっきりした麻痺もないのに、
立位でボールつきができない…という人は「足でちゃんと立てない」のです。
ですから、上半身を立つことに使っているのです。
一番多いのは、両手を後ろに反らせるようにして立っていたり
手を膝についたり、服をぎゅっと握ったりしていらっしゃいます。
ですから、立って手拍子もできない…というわけです。
それでも、なんとかかんとか歩けている…わけですから
ご本人もご家族も「足でちゃんと立ってない」と言われてもなかなか理解できない…というようなことも起こってきます。
また、逆に職員側からは「もっと手を大きく動かして」「しっかり立って」などと言われたりしてしまいます。

言われてできるなら、とっくにやってるって…(苦笑)

このような方にはボールつきは危ないので前段階が必要です。
立位で足で身体を支える…という荷重体験が必要ですが
あいにくこのような方は運動感覚も低下しているため
一般的なバランス訓練では刺激を感得しにくいのです。

そこで私がやっている方法は
プラットフォームマットやしっかりした椅子の前に立っていただき
膝やふくらはぎをマットや椅子の端で支えるようにして
その状態で片手で足を一定のリズムでテンポ良く叩いていただきます。
こどもっぽくないタンバリンがあれば一番良いと思います。

ボールつきもそうですが
運動感覚が低下している方には、運動の感覚を他の感覚で補って入力できることが大切だと考えています。
ボールつきのような上肢の繰り返しの運動の感覚が
ボールのはずみぐあいとして、目でも見て、音でもき聞いて、強調されて入力される。
タンバリンの場合は、音でも聞いて、タンバリンが足に当たったときの感触でも感じて、強調されて入力される。

上肢を身体を支えるちからとして代償して使っている場合には
リズミカルな上肢の運動はできません。
リズミカルな上肢の運動や、上肢を上肢として「対象操作」に用いることができるようになる…つまり、足は足として身体を支えることができるようになっている。
正確にはとりもどすことができるようになってくると考えています。

リズミカルな上肢の運動は
同時にリズムに合わせて足で身体を支えることにもつながるので
(上肢のリズムに合わせて足でふんばることができなければバランスが崩れてしまいます)
歩く…という究極のリズム運動の復活?にもむすびついてくるのではないか
…と考えています。

パーキンソン症候群はお年寄りにとても多い障がいのひとつです。
ボールつきをすると、すくみ足が減ったり突進歩行が減ったりします。
(とても興味深いことが下記の本に書かれていました。
すごくおもしろかったのでいつか記事にとりあげるつもりです。)
「からだの自由と不自由」長崎 浩 中公新書
「動作の意味論」長崎 浩  雲母書房

前屈みではあっても突進歩行ではなくゆっくりと一定のリズムで歩けるようになれば
転倒の可能性はずいぶん減ります。
それでいいのではないかと思います。

私のしごとは、利用者の方の生活の不利益をへらすこと
できたら、その人らしい暮らしの援助をすること

キャッチボールに比べて
ボールつきはあまりリハにとりいれられていないようですが
(キャッチボールの良さはありますが)
自分でなんとか立てる人なら
象徴的な意味でも
キャッチボールよりはボールつきのほうが、お年寄りには有効だと考えています。







テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
>象徴的な意味でもキャッチボールよりはボールつきのほうが、お年寄りには有効
この言葉がもしかして説明不足だったかもしれないと思ったので補足します。
キャッチボールは文字通り、「相手とのボールの受け渡し」なので「相手に合わせる」ことが要求されます。
(その良さも必要性もあるとは思いますが)
ですが、お年寄りにとっては、他の人を介さずに自分が自分で対象と向き合い、対象とのやりとりをする…ことが大切なのではないかと考えているのです。
その要素がキャッチボールには薄く、ボールつきには濃く含まれています。
対象、環境との相互作用を自分自身で直接的におこなえる…そういうところがいいなと考えているのです。
spersnza
2007/10/06 22:00
>お年寄りにとっては、他の人を介さずに自分が自分で対象と向き合い、対象とのやりとりをする…ことが大切

よく理解できないのですが、それは、お年寄りの心にでしょうか?それとも認知機能などのことでしょうか?

大きなボール投げ合い(行為としては、キャッチボールに近いかも)をしていて、反射がよくなったからかは不明ですが、意思の疎通や状況にあった言葉が増えたように感じる方が当ホームにおいでです。

2007/10/07 21:05
説明不足ですみません…。
キャッチボールはまさしく「やりとり」ですから、そこがいいところだと考えています。
このあたりのことについてはきちんと整理するためにも記事にしてまとめてみるつもりです。
spersnza
2007/10/09 00:16

コメントする help

ニックネーム
本 文
ボールつき その3 『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる