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zoom RSS 認知症をもつ方への周囲の人の誤解 その2

<<   作成日時 : 2007/11/12 20:54   >>

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「認知症」という障がいを適切に理解している人は本当に少ない。

前の記事でも書きましたが
認知症=記憶の連続性の障がい
であって
認知症=周辺症状
ではありません。
ましてや
認知症=問題行動
ではありません。

が、現実には、大多数の人は
認知症=問題行動
と捉えているという事実があります。

その誤解に、そして偏見に
職員もご家族も、ご本人自身でさえ
とらわれている。
そう感じています。(このことはまたあらためて)

この記事では
「認知症」の中核症状と周辺症状と問題行動について書いていきます。

まず最初に
認知症というのは、状態像の総称です。
認知症という単一の疾患名はありません。
認知症という状態をひきおこすさまざまな疾患があります。
そのひとつが
アルツハイマー型認知症、です。
その他にも
レビー小体病やピック病などさまざまな認知症をひきおこす疾患がありますが
一番多いのは、アルツハイマー型認知症です。
根本的な原因はわかっていませんが
誰でも罹患する可能性のある病気です。

認知症をひきおこす疾患によって
経過や症状は異なってきますが
基本は同じです。

認知症という状態像の中核は
記憶の連続性の障がいです。

会話ができなくなる、ということでも
徘徊や暴力など困ったことをする、ということでもありません。
(これは周辺症状です)

その場の会話ができても
他者への気遣いが細やかでも
記憶の連続性が障がいされる
…となると、認知症だといえるでしょう。

たとえば
リハ関係で例をあげると
「明日のリハビリはお休みです」と話したのにも関わらず忘れてしまって
「今日1日ずっと待っていたのに待ちぼうけをくっちゃった」となる。
後で説明しても
「そんな事聞いていない」となるのです。
ここでゴリ押ししてしまうと
「あなたは私を馬鹿にしているの?いじわるするの?」となってしまいます。

その人の耳は確かに聞いていたけれど
「覚えられない」のです。
その人の脳のなかには蓄えられていない、残っていないのです。

そんな時に事実をつきつけても
不毛な言い争いどころか、悪循環にしかなりません。

けれど、その場の会話ができて内容も楽しく
「ありがとね」で終わる会話だったりすると
見逃されてしまうことが多々あるのです。

記憶の連続性の障がいという中核症状により
二次的にひきおこされるのが周辺症状です。
周辺症状のうち周囲の人が「問題」だととらえるのが問題行動です。

よくあるのが被害妄想や介護拒否です。
大切なお金をなくさないように自分がしまったのに
しまった場所はもちろん、「自分がしまった」という事実を忘れてしまうと
「お金が盗られた」となってしまいます。
ここでまたよくある誤解が何回も丁寧に言って聞かせようとする方法です。
「誰も盗ったりしていない。しまい忘れたのよ。ほらここにあるじゃない。」
言って聞かせようとする周囲の人に悪気はなくても
結果としては相手の脳の中には残っていない「現実」を
突き付ければ突き付けるほど
当の本人にしてみれば
「いいくるめられてしまう」
…となってしまうのです。

周囲の人は現実を知っている
本人は現実を体験したけれど脳のなかには残っていない
この前提条件を周囲の人は「忘れて」「気がつかずに」接している
という構図になってしまっています。

徘徊や暴力など記憶の連続性が障がいされることによって
二次的にひきおこされるのが周辺症状です。

ですから
中核症状(記憶の連続性の障がい)だけあって周辺症状のない方はいても
(実際、そういう方が多く、また見落としも多いのですが)
中核症状(記憶の連続性の障がい)がなくて周辺症状だけあるという方はいません。

ところが
現実にはまだまだ「認知症=記憶の連続性の障がい」ということが理解されていません。
専門家と言われる看護師や介護職、理学療法士や作業療法士でも医師でさえも(!)
「記憶の連続性の障がい」について認識して
きちんと把握しようと心がけている人は少数だと言えるでしょう。

なぜ適切な理解が浸透しないのか
ひとつには、養成過程での知識の提供が不十分なことがあげられます。
介護職のある養成過程では
認知症という状態像についての知識を提供しないままで
「問題行動へどう対応すべきか」(!)という知識(?)が提供されているそうです。
こんなことは養成過程が修正しようとすればすぐに修正できる課題だと考えています。
なぜ修正がおこなわれないのか
そして似たようなマニュアル本がこんなにもたくさん売られているのか
…ということについては別の記事で。
(なんだか、こればっか…という気がしますが)

もっと根深い課題は
基本的な知識は知っていても活用できないという事実もあることです。
つまり認知症の状態像についての知識の提供は受けた
が、目の前の方は「普通に話ができる」から「見過ごす」

こちらの課題は潜在するもっと根本的な課題を示しているのではないか
…と考えています。











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