『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

アクセスカウンタ

zoom RSS 誤った歩行介助が歩行困難を助長している?

<<   作成日時 : 2008/07/13 23:50   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 0 / コメント 8

手引き歩行…利用者の前方から両手をもって引っぱりながら歩かせる方法をよくみかけます。

以前の記事にも書きましたが
http://yoshiemon.at.webry.info/200710/article_6.html
これも、よくよく考えるととんでもないことのひとつです。
どんなふうに良くないのかの詳細は以前の記事をご確認いただくとして
身体的な問題だけ書くと…

手引き歩行では、職員の介助とともに利用者は前に進んではいます。
ですが、前にひっぱられるのは、当人にとってはとても怖いことです。
とすると、どうするかというと
重心を後ろへ残すようになります。

職員は前からひっぱり、利用者は後ろへそっくり返り
そこで「両者のつりあい」がとれる…ということになります。

歩く…ということは
重心を前に移動させる
もっというと、倒れながら転ばないようにしているのです。

ですが、手引き歩行だと
表面的には利用者は前に進んではいますが
利用者自身の脳の中で何が起きているかと言うと
歩くたびに重心を後ろへ残してしまっているのです。

見た目、歩いているように見えながら
歩くたびに利用者の脳の中では
「歩く=重心を後ろへ残す」という回路を繰り返し繰り返し刻んでいる
ということになってしまっているのです。

これでは、回を重ねるごとにより強い力でひっぱらなければならなくなり
そうすると、利用者はより強い力で後ろへそっくり返り
…という悪循環を重ねることになってしまいます。

歩行を介助しているつもりでいながら
実は、歩行を困難にさせてしまっているのです。

見た目にみえることと、実際は違う…ということを
ROM訓練を例にとり記事にしたのがこちらです。
http://yoshiemon.at.webry.info/200510/article_54.html

よくよく考えるととんでもないこと
…この他にもたくさんあります。
それら1つ1つはこれからいろいろな記事と平行して書いていきますが
当たり前のように行われていてでも実はとんでもないことがあるんだ
…ということをこれから私が書いていくことの前提条件として
ご理解いただければと思います。

じゃあなぜこのような現実が累々とおこなわれているのか
このような現実を変えるために、どうしたらいいのか
そういうことを考えていきたいと思っています。














テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
生活リハビリ関連の本に、特に入浴介助での手引き歩行は危ないとあり気になっていました。

「手引き歩行的なこと」とは、腰の曲がった方の両肘を私が両手で支え、その方は私の肘の内側辺りに両手をのせ、シルバーカーなどで前進するのと同様に歩いていただくというもの。
私がその方を引くことはしません。
シルバーカー並みに低くなるよう、でも不安定にならないよう、私は腰を落として両足は肩幅より開いた形で後方に移動します。そして、その方の視界をさえぎるのが少ないよう、また後方確認しやすいよう、やや半身姿勢。
しかし、その方がシャワーキャリーを押して歩き(以前、介助が間に合わない時にその方が自発的にしていた方法)、私が傍で見守るほうがいい?

杖歩行が可能な方には、真横に立って手と腰を支える方法を多用しようと思います。

こちらに入り込んだのは、『遊びリテーション学』という本の中に出ていた「Occupy=夢中になる、心を占める…Occupational Therapy」というようなことを検索していて。
バリデーション・ワーカーコース生なので「バリデーション」の言葉にも惹かれました。
iki-iki
2008/07/15 17:15
iki-ikiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

>特に入浴介助での手引き歩行は危ない
それは、その通りだと思います。
お年寄りは何が起こるかわかりません。
特に浴室内では、万一にそなえて、何があっても即応できるような介助が要求されます。
前方からの介助だと、もしお年寄りが突然ふらついたら支えることができないので危ないと思います。
iki-ikiさんがおっしゃる方なら、たぶん横からの介助で歩けると思います。
両手をご自身のふとももについていただくか、あるいは片手をふともも、もう片方をiki-ikiさんが支えるかして、iki-ikiさんの手はその方の腰の後ろから手をまわすようにして身体を密着させながら支えてみたらいかがでしょう?
1度、浴室でないところで練習してから試されることをおすすめします。
シャワーキャリーバージョンは危ないのでやめたほうがいいと思います。

>バリデーション・ワーカーコース生なので
こんなふうに出会えるなんてうれしいです。
がんばってください!応援してます!
speranza
2008/07/15 21:26
>両手をご自身のふとももについていただくか、あるいは片手をふともも、もう片方をiki-ikiさんが支えるかして、iki-ikiさんの手はその方の腰の後ろから手をまわすようにして身体を密着させながら支え

円背や腰の曲がりや膝の曲がりのため上半身を前傾して(杖と手つなぎで、あるいは手押し車で)歩く方達は、横からの介助だと足を前に出すのをためらいます。

ふとももに手をつくのは、前傾が大きくなるのか嫌そうです。

ご本人の左に並んで立ち、私の両腕で抱く姿勢をとり、私の左掌(てのひら)にご本人の左掌を、右掌に右掌をのせてもらいます。
ご本人は右側の支えに不安を感じる様子。たしかに私の右掌はご本人が力をかけると上下に動きがち…。

私の右手でご本人の腰を支え、ご本人の右手は私の右腕につかまるようにしたら安定する?
iki-iki
2008/08/24 17:13
直前コメントでは書ききれなかったことを追加します。

手押し車の姿勢に安心感を感じてか、「手引き歩行的」介助を要求してくる方もあります。
(以前に記述したとおり、私はご本人を引くことはせず、手押し車代わりに体重を預けられるものとして両腕を提供していますが…)
このような方で、「手引き歩行的」介助での後方進行の危険をなくすには、シャワーキャリー(手押し車より安定性はあるもの)を押してもらって後ろから腰を支えたほうがよい?
iki-iki
2008/08/24 17:15
iki-ikiさん、さっそく実践してくださっているのですね。コメントありがとうございます。

さて、お尋ねの件についてお答えします。
お尋ねの件は3つ…ということでよろしいでしょうか?

1.横からの介助だと足を前に出すのをためらう
2.ご本人の右手は私の右腕につかまるようにしたら安定する?
3.シャワーキャリー(手押し車より安定性はあるもの)を押してもらって後ろから腰を支えたほうがよい?

まず、1番目のご質問ですが…
もしも、その方達が後述する状態像に該当しないのであれば、前方介助に身体が慣れきってしまっているということとちゃんと足でお身体を支えられていないのだと思います。
このような方にこそ、能力維持のためには側方介助が必要です。
私はふとももに手をあてて腰を直角にかがめて歩かれる方に側方介助をして嫌がられたことはありません。
speranza
2008/08/24 20:32
おそらくちゃんと足で身体を支えることをしていないのでそのはたらきを身体が忘れている可能性があるように思います。
どこにもつかまらずに立っていただいて、その時の姿勢を見てみてください。
横から見てまっすぐに立てるでしょうか?
両手を後ろに伸ばしたり、腰のうしろで手を組んだり、上半身を後ろに反らせたり、両手をふとももについたりせずにまっすぐに立てているでしょうか?
その姿勢で腕振りをしていただいても姿勢を崩さずにできるでしょうか?
これで姿勢が崩れてしまう方には「立つ=足で身体をささえるはたらきのリハビリ」が必要となります。

もしも、上述の問題がないのだとしたら、どこか、微妙に介助方法がズレているのかもしれません。
お年寄りの骨盤後方にiki-ikiさんの腕が密着していますか?
ここがはずれていると非常に不安定感を抱かれてしまいますが、いかがでしょうか?
iki-ikiさんならきっとお年寄りの歩くペースとリズムに合わせて介助されていることと思いますが、重心の移動も合わせていらっしゃるでしょうか?
ご確認をお願いします。
speranza
2008/08/24 20:33
2番目のご質問について…
そのような姿勢をとると、上半身の使い方に左右差を生じさせ、身体のはたらきを歪ませるおそれがあります。
むしろ、iki-ikiさんが右側にまわり、iki-ikiさんの左手でお年寄りの腰を支えてみるのはいかがでしょうか?
もしかしたら、そのお年寄りには軽い右片麻痺があるのかもしれません。
診断名に右片麻痺とのっていないし、見た目にも右手はふつうに見える。右手でスプーンを使える…というような方でも麻痺の後遺症が残っている場合もあります。
そのような場合には麻痺側からの介助が必要で、その時には右手よりも右肘を支えたほうが適切な場合もあります。

3番目のご質問について…
消極的賛成という意味ですが、当面は、シャワーキャリー(手押し車より安定性はあるもの)を押してもらって後ろから腰を支えるのも1つの方法だと思います。
speranza
2008/08/24 20:34
前傾姿勢で歩かれる方には、大きく分けて2通りあります。
1つは、見た目は立っているけれど足では身体を支えきれていない。
もう1つは、立つことはかろうじて立てるけれど歩くときに前方への体重移動のコントロールがうまくできない…という場合です。

iki-ikiさんのケースでは、足が出そうで出なかったり、歩いている途中で足がすくんで歩けなくなったり、あるいは逆に足がどんどん前に出てしまって早歩きになってしまう…というようなことはありませんか?

このようなパーキンソン症候群をもつ方で手押し車での歩行に慣れてしまっている方の場合には、体重移動のコントロールの問題のほうが大きくなるので個別でのリハビリが別途必要ですが、比較的副作用が少なく安全な方法として、ボールつきを試されてみてはいかがでしょう?
うまくボールをつけない時には、背中と肩に軽く手を当ててお身体を支えてあげてください。
ボールつき関連の記事はこちらです。
2007/9/23、2007/10/1、2007/10/2

やってみて何かご不明なところがあれば、ご遠慮なくご連絡ください。
speranza
2008/08/24 20:39

コメントする help

ニックネーム
本 文
誤った歩行介助が歩行困難を助長している? 『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる