『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 能力発揮 その2

<<   作成日時 : 2008/07/30 23:18   >>

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私たちは、知らず知らずのうちに能力発揮している。

だから、能力を見いだすって、難しい。

なぜなら
できないことは
目の前にできないこととしてはっきりみえてしまうけれど
できることは
「あたりまえ」なので私たちが気がつかない。

たとえば
食事の時に必要な能力をあげてみて
…って言うと
動作的なこと、口へ運ぶ、食べ物をかむとかはすぐに思いついても
座っているとか、隣の人の食べ物をとらないとかは
案外思いつけない職員が多いです。
でも、認知症をもつ方ってこういうところが障がいされてしまうのです。

歩くことだって
何の気なしに考えもせずにすたすた歩けているけれど
脳卒中になると、一歩一歩ふみしめるようにしながら歩く方も多いです。

その他にもいろいろな例があると思いますが
私たちがふだんそれと知らずに能力発揮しているのに
見過ごされてしまっていることの最たるものは
重力に抗して生活しているっていうことだと思います。

脳卒中になると
重力に抗した運動が困難になります。
よく聞くのが
あおむけに寝ていて手(正確には腕全体)を動かすとよく手が上がるのに
座るととたんに手が上がらないんだよな…という声です。

宇宙飛行士の月面での歩き方を例にとって
重力の影響についてのご説明はしますが
重力という、目にも見えず手にも触れることができないものの影響だと言われても
言われてることは理解できても今ひとつ納得できないという気持ちが残るようですが
でもそれもそうかな…という気もしなくはありません。

ふだん
当たり前のようにしていること
無自覚にできていること
だから「能力」をみいだす…って難しい。

療法士は「障がいの専門家」と呼ばれていますが
だとしたらその対極である「能力の専門家」でもあるわけで…

能力を見いだそうとする
その過程において
思い知らされることは
人間の身体の不思議
人間の身体って、なんてすごいんだろう…

どんな環境にあっても
どんな状態であったとしても
まずは自分の存在そのものを保持するために
「身体そのもの」「脳をふくめた身体全体」で対応している。
いかに安全、安定への希求が強いのか…
それは心身ともに…
(まさしく、自由からの逃走)

そこをふまえると
だからこそ
リハビリは、本来は
マイナス面の修正なんかではなくて、決してそうではなくて
プラス面の掘り起こし
プラス面を生かす
なんだと思う。













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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
脳卒中になると、重力に抗した運動が困難になる。
ふーん、そうなのかあ?腕が上がらないのは、
それで?でも、脚はあがるようになった。
くにくに
2008/07/31 17:59
くにくにさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

そうなんですよね。
腕と脚って違うんですよね。
脳卒中後、腕はあんまり動かなくても脚は歩けるようになったという人のほうが圧倒的に多いと思います。
長嶋茂雄氏だって日本のトップクラスのリハを受けたはずです。
でも右手はポケットに入れたまま…

なぜ腕と脚が違うのか…
筋肉の大きさや数やはたらきなどの違いもあるとは思いますが、根本的な理由を明解に言葉にできるほどには今の私にはわかっていません。
すみません。
speranza
2008/08/01 21:56
腕を上げる時、肘を曲げて肘を上げると考えたらどうかと、思ってます。この頃、患側の左足に体重を乗せて立っていると、流しの縁に乗せた左手に体重が乗っていると感じられるんです。とても良い傾向だと思うのですが。
くにくに
2008/08/02 14:22
 私の勝手な考えです。

 人間は両足で歩きますから、片足が痲痺を起こしても痲痺足を使う以外にありません。だから回復しやすい。

 両手が使える方が便利ですが、片手で出来ることは意外と多いですね。利き手が痲痺した人は利き手交換で非利き手が使えるようになります。そうなると麻痺手のリハビリがおろそかになるのでは無いかと思うのです。療法士も患者も。割り込んだみたいでごめんなさい。
マサおじさん
2008/08/02 18:38
くにくにさんへ
>流しの縁に乗せた左手に体重が乗っていると感じられる
私もとても良い傾向だと思います。
その時に左手の指や左足の指がぐぐ〜っと曲がってくることがなければ良いと思います。
speranza
2008/08/02 22:37
マサおじさんへ
>麻痺手のリハビリがおろそかになる
確かに「手はこれ以上良くならないと言われた」という声をよく聞きます。
そういう方が老健に来て動きが出始めた…という声もまたよく聞きます。

回復期では、ADLの向上度が指標としてとりあげられるから麻痺手のリハビリよりもとにかくADLの自立度を上げるように偏っているのでしょうか?
今度、回復期病棟に勤務している人に会う機会があるのでその時に聞いてみます。

脚は支えるはたらきが弱くても、手や杖や装具を使って(代償して)とにかく支える体験をすることができます。
手の本来的なはたらき「操作」は…代償のしようがないのでとにかくまずは体験ということが難しいのと場面依存性の高さがあげられるとは思いますが…
なにかとてつもなく大切なことが見落とされているように感じています。
これ以上のことは今の私には言語化できません。
すみません。
speranza
2008/08/02 22:55
マサおじさん、私も全く同感です。
私は、右手だけで、殆どの家事をこなせるので、左手は、動かなくてもさほど不自由を感じません。だから、左手のリハビリは、進まないのだと思います。
これからは、面倒でも、左手を使うようにして、左手の回復を目指そうと、思ってます。
くにくに
2008/08/03 18:42

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