『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS リハビリの効果

<<   作成日時 : 2008/07/05 21:44   >>

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当事者と療法士とで視点が異なる場合があります。

たとえば
療法士が「リハビリの効果」というときには
できなかったことができるようになる…プラスが大きくなる(量的向上)
のみならず
できかたが良くなる…プラスの方向性が変わる(質的向上)
ばかりか
できなさが少なくなる…マイナスが減る
ということも含めています。

けれど、多くの当事者の場合
「リハビリの効果=プラスが大きくなる」
と捉えられていて
できかたが良くなったり、できなさが少なくなったりしても
「効果」として捉えられないことが多いです。

たとえば
装具なしで歩けた、杖なしで歩けた…というふうに変われば
良くなった…と感じられても
歩く時のつっかかりが減った…という程度だったり
リラクゼーションにかかる時間が1/2〜1/3に減った…という程度では
「ちっとも良くなっていない」と受けとめられてしまうこともあります。

これには、きっといろいろな理由があって
ご本人の良くなりたい一心というお気持ちがあるでしょうし
感覚が障がいを受けているから説明してもわかりにくいということもあるでしょうし
歩き方は、他人からは見えても自分では見えないからわからない
ということも大きな理由だと思います。

もちろん
目に見えるように良い方向へより短期間で変わることへの
自分の技量の向上の努力は欠かせないと思っています。
(が、量的向上を目的化すると、質的低下ひいては量的低下もひきおこしやすいと感じているので、この点に関しては私は慎重に考えています。このことはあらためて別の記事に書きます)
そのうえで、これらのことをどのように説明したら
当事者の方が理解しやすいのか…という工夫も必要だと感じています。

たとえば
まずは、利用開始時の歩き方などの身体の動きと
一定期間経過後の変化をビデオで撮って
当事者の方に比較対照してもらう…とか。

「あんまり実感はなかったけど確かに歩き方は変わったな…」そう感じてもらえるための工夫。
もちろん、歩行に限らず、ですが。
あとは…う〜ん、、、
基本は「相手の希望のラインに沿って共通の指標を提示」する…ということなんだと思うけど…。

今は、できるだけ写真を撮ってお渡しするようにはしています。
(デジカメはほんとに重宝してます)
座れなかった方が座れるようになったときとか
硬かった手がほぐれたときの様子とか…
でも、歩き方、立ち方、つかみ方…そういう「動きの質」に関するものはどうしたらいいか…。

当事者の方もご家族も一生懸命努力しているのだから
「がんばった甲斐」がないとがんばりきれない…というお気持ちもわかります。

努力が常に結果となってあらわれるわけではないのは世の習いだし
甲斐がなくとも得られるものはあるとも感じているけれど
でも必死な時の「甲斐」ほど励みになるものはないですよね。

私たちは「変化の指標」をたくさん持っているけれど
相手は違う。
当事者の方は、生涯で初めての困ったことがらに直面しているんだ
…という当たり前のことを忘れてはいけないと感じています。













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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
 私は右脳被殻出血で左上下肢が痲痺しましたが、左肩の亜脱臼が改善しないこともあって上肢の回復は進みませんでした。しかしその後の1ヶ月の訓練で、握力はありませんが僅かに指が動き手指で顎に触れる程に肘も動くようになりました。この状態を見て「補助的に使えるようになって良かったですね」と言うセラピストと、「日常生活で麻痺手も使うようにするのが一番良いリハビリです」と言うセラピストがいました。
 私は補助的な手の使用などに満足せず、退院して自主訓練することにしました。毎日毎日両手を使い続けました。すると少しずつ痲痺手指に動きが出て、ゆっくりであれはグ・パが出来るようになり、濡れタオルも少しずつ絞れるようになりました。気がつけば発症から5ヶ月で退院したときには僅かな動きしかなかったのに、それから数ヶ月後には日常生活動作の殆どに両手の使用が可能になったのです。
 あの一言に感謝しています。
マサおじさん
2008/07/08 22:34
マサおじさんさん、コメントありがとうございます。

毎日毎日両手を使い続けてその結果日常生活動作の殆どに両手の使用が可能になった…とのこと、本当に良かったですね。
体験談を教えて下さってありがとうございます。

私も「手はもうダメだから」と言われた方や発症後何年もたった方でもリハをした結果、指が動いた、ティッシュペーパーをつまみ上げられるようになった…という方たちの経験もしています。
やってもしようがないとは決して思ってはいません。
ただ、「道しるべ」の間隔がずいぶんかけはなれているんだ…と感じる場合はあります。

それから誤解を招いた表現だったかもしれませんが、動作の「目標化」は当然あってしかるべきだけれど「目的化」は良くないと感じています。
言葉遊びではなく、この2つは違うものだと考えています。
speranza
2008/07/09 22:30
また、何にしたって、やらなければ良くなるはずがありません。
でも、やればやっただけの効果が出るか…というと
そうとは言い切れません。むしろ、やりすぎの弊害もあります。

動きが出てきた時には、一方で硬くなってしまう場合が多いので、硬くしないで動きを積み重ねていくことが大切だと考えています。
とにかくリハビリしなくては…とご自身で励んだのにかえって硬くなって動きづらくなってしまった…という方も知っています。

身体の使い方に配慮せずに動作の反復練習をするだけだと、その場はできても、アンバランスな身体の使い方の結果、できなくなってしまう…という例も知っています。

このことは非常に重要な問題をはらんでいると思うので、具体的な例をあげながら、あらためて記事にします。是非、マサおじさんさんのご感想をお聞かせください。
speranza 続き
2008/07/09 22:32
 間違った訓練や、無理に動かしたり、動かしすぎたりは弊害を起こすと言う事実は、入院リハビリ中に他の患者さんで実見してして理解していました。 自主訓練をする場合は、療法士さんの指導を受けなければいけませんね。

 私は、「両手を使い続ければ動くようになる」と言いたかったのではありません。表現が悪くてごめんなさい。
 麻痺側だけの訓練よりも両手を動かす方が効果があるのではないかと考えたのです。
マサおじさん
2008/07/10 08:09
マサおじさんさんが、このウェブログの記事を真っ正面から読んでくださっているように感じられて、私はとてもうれしいです。
私のほうこそ、読み違えてすみませんでした。

私は自主訓練奨励派です。
療法士はもっと積極的に自主訓練を指導したほうがいいと思います。
してはいけないこと、望ましい動き、良くない動きを含めてきちんと指導して対象者の方自身がご自分の身体と対話しながら自主訓練できるように援助するのも大切な仕事だと考えています。
このあたりのリハの現状と課題についてもいずれ記事にまとめていきます。

>麻痺側だけの訓練よりも両手を動かす方が効果があるのではないかと考えた
私もそのように考えています。
両手…に限ってはいませんが、パターンの中で要素を訓練するといいと考えています。
その意味がたぶんマサおじさんさんのおっしゃる「両手」と重なるのではないか…と感じました。
あらためて記事にしますので、その時はご意見ご感想をぜひお願いします!
speranza
2008/07/10 22:14
こんばんは。はじめまして。
speranzaさんのおっしゃるとおり、
セラピスト側の効果と当事者さんの効果の
受け取り方って全く違いますよね。
私らが強引に「よくなったよ!」と
ねじふせるより、当事者さん自身が
効果を「感じ取れる」ことが大切だと
思います。
でも、それを「感じ取れる」ように
説明するのもセラピストの役目だったりして、
日々、お悩みでもあります(笑)
担当している患者さんに
「なんでこんな簡単な手の動きが
 できないのだろう。反対の手はすぐ
 できるのに・・・」と。
ついつい、
「ほんと、こんなちょっとした動きが
 できるようになんで、うまく
 教えられないんだろう・・・」
と、ついつい本音を言ってしまい、
お互いあっはっは〜と笑っちゃいましたが。
ほんと、伝えるって難しいです。。。
これを伝えたくてコメントしました。
すいません・・・
うさこ
2008/07/16 22:19
うさこさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

>ほんと、伝えるって難しいです。。。
ほんと、難しいですよね。

目に見えて動きが変わった時(量的な変化)には
すぐに教えていただけます。
「今までは○○だったけれど、この間は□□で、できた」…というふうに。

同じ杖歩行だけれど、歩き方が良くなった(質的な変化)という場合には、感じとれる人とそうでない人がいます。
そんな時に客観的な数字(例えば、予防の体力測定のような)というのは「あんまり感じなかったけど良くなってるんだ」…というふうにその人にとっての支えになることも多いです。

それ以外にも動きの質的変化を利用者の方が実感できるようにもっと工夫が必要だな…と感じています。
speranza
2008/07/16 23:03

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