『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS リラクゼーション…基本的な心構え

<<   作成日時 : 2008/12/17 22:05   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 8

脳卒中後遺症をもつ方でお身体が硬くなっている方に私がまずおこなうことです。

リラクゼーションをおこなわずにいきなり
関節可動域訓練ROMEx.(Range of Motion Exercise)をおこなう療法士も多いですが
脳の回路の機能不全により
身体の過緊張を起こし
その結果、関節が固まるあるいは硬くなって動きにくくなってしまう
…というのが状態像なのですから
過緊張のままで、いきなりROM訓練をすれば
筋肉が縮まった状態でストレッチをすることになってしまいます。
しかも自分で加減しながらおこなえるわけではないので
論理的に考えてもムリがあるし、効果がないどころか、逆効果だし
(下手したら筋腱断裂のおそれだってあると思います)
患者さん利用者さんにしてみたら、とても痛いです。

「痛い」と言っても
「痛くてもやらないと硬くなっちゃいますよ」
「もう少しですからね」
とおどしたりごまかしたりして続ける療法士も多いです。

でも、おかしいと思いませんか?

本当に痛みがあっても我慢しなくてはならない
逆に言えば我慢したほうが本人の利益につながるのならば
そのことをきちんと論理的に説明すべきだと思うのです。
あなたの今の状態像はこれこれこうで、痛みはこういう機序で発生しているから
この痛みを我慢するとこういうふうに良くなる…と。
(書いてるだけで辛くなってくる文章ですが)

お金を払ってリハを受けている方に対して
おどしたりごまかしたりする…ということは
ある意味で論理的な説明ができないからではないか…と勘ぐりたくなることもあります。

私はホットパックも多用します。
リラクゼーションが得られればいいのだから
使えるものは何でも使って早く深くリラックスできたほうが
その後の動きの引き出しがより円滑にすすむと考えるからです。
ホットパックを多用するな…と教わってくる療法士も多いようですが
その判断基準はどこにあるのか…が問題だと思います。
私の判断基準は利用者利益です。
そしてリラクゼーションはそれ自体が目的ではなくて
リラクゼーションしたことによって
その方のより多くのより適切な動きを引き出しやすくすることが目的なのだから
できればリラクゼーションにあんまり時間がかからないほうが望ましいと考えています。

そして
私もリハを待っている方が多い時などに焦ってしまうとやってしまうことですが
リラクゼーションは、ほぐすぞ…とは思わないほうが絶対にいいです。

自分の手を通した
相手の身体と自分の身体とのコミュニケーション
だから
辛いところを教えてください
どうしたらラクになるのか教えてください
…って手を通して相手の身体に語りかけるようにしています。
…笑われるかもしれないけど。
でもそのほうが結局は早くリラクゼーションが得られることが多いので
そうやってます。
これには論理的な根拠はありません(苦笑)

強いて言えば…
身体は身体を守っているので
侵害刺激かどうかを直接接触によって皮膚が判断しているのかもしれない
…と考えています。
詳細は
「身体の不思議 番外編」をご参照ください。
http://yoshiemon.at.webry.info/200810/article_6.html

近日中に実際の方法論について書いてみます。
具体的なことはもう少々お待ちください。




蛇足ですが…(でも実はとても重要だと考えているところですが)
私が本当に集中できたときには
相手の身体の辛いところと同じところが私の身体でも張ってきます。
これは私のとる方法論そのものによるのか
あるいは結果としてそうなるのかは
今はまだわかりません。

ただ、可能性として考えられることは
マッサージや気功の世界でも同様のことがあるらしいので
実際そうなのだろう…ということ。

だとしたら無意識のうちにそういうことを回避することだってあり得るのではないか。
身体は身体を守っているので
それは療法士の身体にも起こるだろうということ
つまり、療法士の身体が自らの身体を守ろうとして
当事者の身体とのコミュニケーション
…リラクゼーションという身体を通したコミュニケーションを無意識のうちに回避した
という可能性があると思うのです。
その一端が痛いROM訓練をする、おどしたりごまかしながらでもできてしまう
…という「かたち」であらわれているのかもしれないと考えています。

きちんとしたコミュニケーション(言語的にも非言語的にも)が成り立たないならば
きちんとしたリハビリも成り立たない
でも、適切なリハビリの提供ということは
当事者の側からも療法士の側からも双方からの当然の要請です。
ならば、積極的に自分の身体を守りつつもコミュニケーションがとれる
という方法をみつけるしかないと思っています。
今の私には確固たる答えはまだみつかっていません。
まずはうがい手洗いくらい…
http://yoshiemon.at.webry.info/200810/article_4.html
でも模索を続けています。

私は私の身体を信頼しています。
もしも私が心から利用者利益を願いリハビリをしているのであれば
私の身体は私の身体を守ってくれるはずです。
そうでなければ
私はリハビリを続けられず
私を信頼してリハビリを受けている方が困ってしまうことになってしまいます。
そんなことは私は願っていません。
だから、私が(自分の安全圏を超えるような)無謀なことをしたときには
私の身体が何らかのサインを出してくれると思っています。
ですから私のリハビリを受ける方に誤解をされたくはないのですが
どうぞ遠慮や心配はなさらないでください。

そのかわりに
もしも私がその方法論をみつけられた時には
利用者の方により早くより深くリラクゼーションをおこなえるようになるし
今現在も痛いリハビリを提供している療法士に
それは良くない。こっちはどう?
と言えるようになるし
(良くない…と言うだけでは逆効果になってしまうので
 哀しいことだは思いますが、状況を変えることのほうが大切だと思うので)
結局はより多くの当事者の方の利益につながっていくと考えています。

そのためにも
焦らずあわてずでも着実に…の精神で日々努力を重ねていきます。









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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
 リラクゼーションとは、身体的・精神的・情緒的な緊張のない心身ともに緊張やストレスから解放されたリラックス状態のことだと、または、リラックス状態へ誘導するための手段や方法のことだと思っています。
 たとえば麻痺のない人は、椅子から立ち上がって歩くとき、何も思わないし身体も何も感じません。
 しかし、麻痺があると、立ち上がるときと歩き始めるときに軽いストレスがかかります。歩いているときも同じです。ストレスが軽い場合は問題なく動けるのですが、「さあ歩くぞ」などと気合いを入れたりすると、身体的・精神的・情緒的に大きなストレスがかかり、身体が硬くなって歩けなくなると言う人がいます。
 こういうタイプの人には、平常心で動作出来るような精神的・情緒的なアドバイスも必要だと思います。
マサおじさん
2008/12/18 14:58
 私は、動作を始めるときに気合いを入れることなく平常心で動くことが出来ますからストレスはかかっていないと思っていたのですが、きょう散歩に出て公園のベンチに座っていると、足よりも上半身が硬くなっていることに気がつきました。意識しなくてもストレスがかかっているのだなと思ったのです。肩がパンパンでした。麻痺のない右足首の少し上の筋肉も固くなっています。
 歩いていると足腰に痛みが出ないか、との思いがストレスになったのかもしれません。帰宅して、教えていただいた「簡単ホットパック蒸しタオル」で足の筋肉に当てました。とても気持ちが良いです。
マサおじさん
2008/12/18 15:00
 今日は、歩いていても足腰の痛みが少なかったのです。今日よりも明日、痛みが少なければ、痛みの少ない『体験』として脳に記憶されるのかなと思います。教えていただいたように、歩いて気持ちの良い『体験』、歩いても痛くならない『体験』が出来れば、以前のように痛みが無くなるのではないかと思います。テーマから少し外れました。ごめんなさい。
マサおじさん
2008/12/18 15:01
マサおじさん、詳しく体験を教えてくださってどうもありがとうございます。
大変参考になりますし、このウェブログを見てくださっている当事者の方も共感できたり参考になったりすると思います。
もし、よかったらこれからもどんどん教えてください。

>麻痺があると、立ち上がるときと歩き始めるときに軽いストレスがかかります。
おっしゃるとおりで転倒回避、重力への対応などの身体的な問題もあらわれていると思います。
(立ち上がりについても思うところがあるので改めて記事にします。その時にはご意見ご感想をお願いします。)
speranza
2008/12/18 21:26
>麻痺があると、立ち上がるときと歩き始めるときに軽いストレスがかかります。
おっしゃるとおりで転倒回避、重力への対応などの身体的な問題もあらわれていると思います。
(立ち上がりについても思うところがあるので改めて記事にします。その時にはご意見ご感想をお願いします。)
そのような場合には、歩き出す時には、すぐに歩き出さずに立ったままで少し左右の足に体重を移し替える練習をされてから歩き出されると良いと思います。
こういうとみなさんすごく大きく左右に動かすのですが(これはおそらくリハの誤用による可能性のほうが高いと考えています)あくまでもほんのちょっとだけです。
最初は下を向いたままで腰をちょっとだけ非麻痺側に次にちょっとだけ麻痺側の方向に動かします。数字にしたら1p程度で十分です。
何回か繰り返してから今度は正面を向いて同じ様におこないます。腰を動かすのはあくまでもほんのちょっとだけでOKです。
それからゆっくりと歩き出されると良いと思います。
そうするとストレスのかかる時間が短縮されるようです。
speranza
2008/12/18 21:27
気合いを入れるとかえって身体が硬くなって歩けなくなる人の場合には、「そんなにがんばったらかえって危ないぞ」という身体からのサインだと考えるほうをおすすめしたいです。
どんな時でも身体はその方の身体を守るように自然と判断してくれているのだと感じています。
外を歩く時には、いろいろなことが突発的に起こります。
車のクラクションに驚いて身体が硬直してしまった…ということを複数の人から聞いたことがあります。
こんな時にも早く歩き出そうと焦るとかえって逆効果です。
身体の筋肉が過緊張を起こしているので「あぁ驚いた」「でもなんともなくて良かった」「さぁゆっくり歩こう」とありのままの感情を感じとる時間が必要だと思います。そうやって身体と心が体験したことを頭で再体験する…それから身体が動き出す手助けをする…ゆっくりと先にあげた腰を左右にちょっとだけ動かしてゆっくりと歩き出されることをおすすめします。
speranza
2008/12/18 21:28
しつこいようですが、基本は同じ。身体は身体を守っている。今を否定せずに(○○せねば…とは思わずに)もっとスムーズにストレスがなく歩けるようになりたいからがんばるぞ…と、そのような考え方が大切だと思います。

改めて記事にするつもりですが、私たちは常識にとらわれすぎているのではないか。生身の自分の身体と心をもっと信頼してもいいのではないか…と感じることが多々あります。それは決して自分を甘やかすこととは違うと思います。

マサおじさんが今挑戦されている歩き方は平行棒でやってもすごく難しいことなので、右足首の背屈がちゃんと働いてもお身体の他の部分ががんばりすぎてしまうことも十分に考えられることです。
それにしても、新しい挑戦を始められたばかりなのにご自身のお身体をきちんと把握なさっているのはすばらしいことです。どうぞあまりムリなさらずに…でもがんばってください。
speranza
2008/12/18 21:29
21:27の私のコメントに直前コメントと重複する部分がありました。お見苦しくてすみません。
speranza
2008/12/18 22:40

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