『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 歩き出す時が大変

<<   作成日時 : 2008/12/19 19:03   >>

驚いた ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 3

…とは、よく聞く言葉です。

脳卒中後遺症をもつ方の場合
筋緊張のコントロールが障がいされます。
それは、いろいろなあらわれかたをしますが
1番多い痙性という状態をもつ方についての対応として記事を書いていきます。

痙性をもつ筋は重力の影響を受けますので
寝ているとき、座っているとき、立ったときとで痙性の強さも違ってきます。
「寝てるときはこうやるとこっちの手が(麻痺してる手が)よく動くのに
 座ってるときは動かないんだよな」
「立ち上がった直後は筋肉が突っ張る」
などという言葉は痙性という特徴を示しています。

座っているときには何ともなくても
立ち上がったら足の指が曲がってしまう
長く歩いて疲れてくると足の指が曲がってしまって
爪が靴底に関節が靴に当たって痛い…と言われる方もとても多いのです。

それぐらい病気になる前は何ともなかったことに直面させられてしまうのです。

重力の影響、姿勢調整…などは
意識下で身体が調節してくれていることなので
病気になってはじめて前面にたちあらわれてくる…。
今まで意識すらしなかったことに直面して当惑されるのも当たり前だと思います。

立ち上がるのが大変
歩き出すのが大変
…というのも、まさしく文字通りにそうなので
これは決してその方が怠けていたり弱気になっていたりすることではないのです。
脳卒中後遺症の影響なのです。

後遺症だから仕方がない
…ではなくて、後遺症は後遺症として
じゃあ、どうしたらいいのか
どうしたらその影響を少なくできるのか
…というところをきちんと考えていくことが大切だと思うのです。

前置きが長くなってすみません。ここから本論です。
(思えばいつもいつもこうですね。講演でもそうなのです…。
でも前置き…考え方こそが1番大切なのではないかと感じているのです。)

立ち上がった直後
歩き出す直前
…というのは筋が過緊張を起こしていますから
すぐに歩き出さずにまず過緊張を緩和しておくことが重要だと思います。
(現実的に、実際に、身体が体験する…ということが重要だと考えます。
 なぜなら、脳の回路再建が必要なのですから)

重心をいきなり上げない。
まず、下を向いて
杖をついている方はしっかりと杖でお身体を支えて
そのまま下を向いたままで
両足と地面との接触面をしっかりと意識して感じとってください。
足形…ってあるでしょう?
あの足形が感じとれるような気持ちで
もしも感覚が障がいされている場合でも
ご自身の足をしっかりとみつめながら
その足全体を
親指、ひとさし指、中指、薬指、小指、足の外側、踵、足の内側、親指…と
みつめてみてください。

足形がイメージできたら
そのまま下を向いたままで
ゆっくりと少しずつ体重移動をおこないます。

腰を非麻痺側の方向へ
左片麻痺の方は、腰を右側へ
ほんのちょっとです。
1p程度で十分です。
ほんのちょっと腰を動かしただけでも
それぞれの足の裏では体重がしっかりと動いていくのを感じとることができるでしょう?
今度は同じことを麻痺側の方向へ同じようにおこなってみてください。
腰を動かすのはあくまでもほんのちょっとです。
いかがでしょうか?

くれぐれも少しずつです。
途中でキュッと足が硬くなるようなことがあれば
それは動かし過ぎだという身体からのサインです。

しばらく続けていただいて
怖くなく腰を左右の方向に動かすことができたら
今度は正面を向いて同じようになさってみてください。
正面を向くだけでも重心の位置はグンと上がりますから
最初はゆっくりとほんのちょっとだけ…
しつこいようですが(苦笑)
あくまでもほんのちょっとです。
たいてい皆さん動き過ぎなのです。
いつも私に「やり過ぎ。やり過ぎ。もっとほんのちょっとでいいんです。」と言われています。
(たぶん今まで受けていたリハ場面で過剰に動かされていた経験の影響が残っているのだと思います。
 このことについても改めて記事にしてみます。)
それでもキュッと足が硬くなってしまうようなら
正面を向くのは早すぎるという身体からのサインだと思って
下を向いて先の動きをもう1度してから
あらためて正面を向いてから再びおこなってみてください。

正面を向いて腰を左右に動かすことに
抵抗感(身体的にも心理的にも)を感じなくなったら
今度は腰を非麻痺側の方向へ少し動かすと同時に腰を少し前に動かしてみてください。
次に麻痺側の方向へ腰を少し動かすと同時に少し前に動かします。
この動きは難しいので最初はなかなかわからないかもしれませんが…。
くれぐれもほんのちょっとだけです。
(しつこくてすみません)
この動きを繰り返すと自然と膝が屈伸の動きを始めるようになってきます。
(膝周囲の筋が緩んできた…ということのあらわれです)
そうしたら歩き出してみてください。
もし、この動きをしていて足が硬くなるようなら
しっかりと下を向いて、足下をみつめながら同じ動きをなさってみてください。

最初はすごく時間がかかるかもしれませんが
回を重ねるごとに身体の反応が早くなってきます。

どうしても腰を横方向に少し動かすと同時に前にも少し動かすという動きが
わからない、できない…という場合は
もう少し待っていてほしいという身体からのサインだと思って
しばらく横方向にだけ身体を動かしてから歩き出すようにしてみてください。
それだけでも十分違うと思います。

くれぐれもほんのちょっとだけですよ。
なぜかというと…
ここで体験!

両足で立って腰を少しだけ左右に動かします。
この時の足全体、足の裏の感じをしっかりと感じとっていてください。
次ぎに
両足で立って腰を大きく(安全には気をつけて)左右に動かしてみてください。
いかがでしたでしょうか?

2番目の方法では
足全体に同時にぐっと力が入ってしまうような感じがあったのではないでしょうか?
病気をしていない人でもこうですから
痙性のある筋にこんなことをしたらどうなるか…
(でも実際にリハ場面でおこなわれているんですよね…
 リハの用い方の弊害、誤用については改めて記事にします。)
ですので、しつこくて恐縮ですが、くれぐれも少しだけです。
そのかわりお身体の変化に十分に耳を澄ましてください。












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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
 私は、幸いなことに、今まで『痙性』はありませんでした。ところが、歩くときに麻痺の無い腰下肢に痛みを感じるようになってから、歩いている時に麻痺の足に軽い『痙性』を感じるようになりました。

>正面を向いて腰を左右に動かすことに
>抵抗感(身体的にも心理的にも)を感じなくなったら
>今度は腰を非麻痺側の方向へ少し動かすと同時に腰を少し前に動かしてみてください。
>次に麻痺側の方向へ腰を少し動かすと同時に少し前に動かします。
>この動きは難しいので最初はなかなかわからないかもしれませんが…。
>くれぐれもほんのちょっとだけです。

 今朝試してみました。両方の腰下肢痛がとても気持ちがいいです。歩行前や、途中の公園で休息するときも試してみたいと思います。そうそう、公園には子供用の鉄棒があります。平行棒ほどの長さはありませんが、鉄棒に沿って「踵〜つま先歩き」の練習をすると、転倒の心配が無く上手くいっています。
 ありがとう御座いました。
マサおじさん
2008/12/20 08:43
片麻痺の方には、腰背部の筋肉が張っている方がとても多いのですが、この運動で張りが少なくなる方も多いです。
ただし、おひとりでするのはかなりバランスの良い方に限られてしまうかもしれません。歩くのに杖が必要な方や何かにつかまらずに立つのは不安だ…という方向けには改めて記事にしますので今しばらくお時間をいただきたいと思います。

外を歩いていると、あ、休みたいな…と感じた時に必ず腰掛けられる場所があるとは限りません。(むしろ、ない場合のほうが圧倒的に多いと思います)そんな時に立ち止まって少しこの運動をするとラクになるようです。

外は休む場所がないから出かけられない…という方も多いのですが、この方法が外を歩くことへのためらいを少しでも減らすことにつながるのなら、私もうれしいです。
speranza
2008/12/20 21:16
マサおじさん、続報も含めてコメントありがとうございます。
回数を重ねるごとに自然とふだんの歩き方も変わってきますから、焦らずに何回も何回も繰り返してください。
練習していて自分では気をつけているのに右足のつま先が上がらなくなってきたら、休みどきという身体からのサインだと思ってひと休みなさってください。
腰掛ける場所がなければ何かに寄りかかって立つだけでも、お身体はラクになると思います。
その後でこの記事の運動をされるのも良いかもしれません。
speranza
2008/12/20 21:17

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