『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS リラクゼーション…実際のやりかた その1

<<   作成日時 : 2008/12/29 00:06   >>

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良い姿勢には身体のはたらきの良さがあらわれている

姿勢が良いから良い姿勢になるのではなくて
身体のはたらきが良いから
結果として姿勢が良くなるのだと考えています。



では、脳卒中後遺症をもつ方へのリラクゼーションを
私がどんなふうにおこなっているかというと…

まず、できるだけふだんの生活に近いポジションでおこないます。
ふだん、ベッドで過ごすことが多い方なら
ベッドであおむけになったところから始めます。
なんらかの方法で歩けている方なら
ふだんは座って過ごされていらっしゃると思うので
プラットフォームマットに腰掛けていただきます。
(立ちっぱなし…という方は、おそらくいても少ないと思いますし
 そのような生活ができる方ならリハは受けずに過ごされているのではないかと思います)
ご自宅では、ベッドがあればベッドで
ちゃぶ台の上でやってるよ…という方もいます。

なぜ、こんなことをわざわざ書くかというと…

新しく脳に回路をつくるのですから
(もう何回も聞かされて耳タコかもしれませんが
 ここが本当に大切なところで出発点なのに重要視されていないところだと感じているからです)
栗本慎一郎氏が言うように
「麻痺は残るが練習したことはできるようになる」
のです。
本当に適切な表現で言い得て妙だと感じ入っているのですが
表現を変えれば
練習したようにできるようになる
ということでもあるのだと考えています。
…つまり
練習のしかたが大事…だと。

ふだんの生活での身体の動きが今よりも良くなるように
リハビリをするのですから
ふだんの生活での回路をつくるということが大切だと思うのです。

そしてもうひとつ大切なことは
今よりもより良くなる…betterの積み重ねということです。
最初からbest…100%の実現を望むのではなくて
100%のリラックスを望むのではなくて
より良い動きができるようになるためのリラックス。
ここでカンペキなリラックスを求めて延々とリラクゼーションをするなら
本末転倒になってしまいます。

なんのために…ということを
なぜなら…ということを
自分のなかで明確にしておくことが大切だと考えています。

当事者の方やご家族の方は療法士に説明を求めてください。
(本来であれば求められなくても説明するのがスジだと思いますが)
療法士はきちんと説明して
当事者の方に「やらせる」のではなくて
当事者の方が「やる」ことを援助する
だからこそ、できない「動作」や「リラクゼーション」は恊働でおこなう
…というありかたが大切なのではないかと考えています。

つまり
脳卒中後遺症をもつ人のRehabilitationは
脳のなかの回路をつくる
つくった回路をはたらかせる
…というところにあるからだと考えているからです。

リラクゼーションも脳の中の回路つくりのためです。
単に身体の力を抜くためのものではありません。

あぁ、ラクになった…
気持ちいい…
痛みがやわらいだ…
ふだん、過ごすことの多い姿勢で
ラクになることができた。
これだけでもとても大きなことではありますが
リラクゼーションが
リラクゼーションとして完結してしまっては
それが目的化してしまっては
いつまでたっても「現状の後追い」になってしまいます。

過緊張が緩和したことによって
今まで使われていなかった
眠っていたはたらきが
活性化されることこそが大切なことなのです。

そうすれば
姿勢は自ずと変わってきます。

良い姿勢は姿勢が良いのではなくて
良い姿勢には良いはたらきが投影されているのだと考えています。

論理的な文章を書く人は
文章の書きかたがうまいのではなくて
考え方が論理的になっているからなのだと思います。
つまり
…論理的な文章には論理的な考え方が投影されているのと同じように。

本当にフレームワークの問題なのだと思うのです。

コンピューターでいえば
さまざまなアプリケーションソフト…いわゆるソフトがたくさんある。
けれどそのソフトを動かすのはOS…オペレーティングシステム、基本ソフト。
OSの上にソフトがのっかって動いている。

リハの世界で言い換えれば
○○法、△△法、□□法…とコンピューターでいうところのソフトはたくさんあります。
「こうやってみたらよくなった」
だから、どうしてもそちらに目がいきがちになってしまう。
私たちが「直接」操作するのはソフトであってOSではないからです。
でも、OSがあるからこそソフトが使えるのです。

リハの世界のOSとは何か…
「身体を動かすことで脳の回路が変わる」
「脳の可塑性」
「身体には脳をふくめた身体の『はたらき』があらわれる」
…なのではないでしょうか。





「こうやってみたらよくなった」
そう聞いたらなんでも試してみるのはよいことだと思います。
けれど、表面的にやるのではなくて
「こうやる」ことのどこがいいのか、何がいいのか
考えながらやっていけば
人に言われたからではなくて
自分の意思としてやってみる
ということの強化になり、回路形成によりよい効果が得られるのではないかと考えています。






リラクゼーションは、単なるリラックスや脱力では決してありません。

その効果や見た目から誤解されやすいのかもしれませんが
脳の回路形成のとても重要な一端をになうものです。

リラクゼーションの実際の方法について書く前に
考え方について細かく書いた理由です。










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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
>人に言われたからではなくて
>自分の意思としてやってみる

私は子供を指導するときや、後輩に仕事を覚えてもらうときに、話をしながら、相手が自分で考えるようにしてきました。だから、子供も後輩も、私に教えてもらったとか、指導を受けたと言う意識は殆ど無いようです。
 それで良いのです、自分で考えて理解したり出来るようになったのですから。私は、単に、何を学べば良いのか、どうすれば考えがまとまるか相手と話すだけですから。
 子供が、親に言われたから勉強するのではなく、自らの意志で勉強するように指導することが大切なように、リハビリテーションの世界も同じですね。治療者も患者・利用者も共にこのことを認識する事が必要だと思います。
 シリーズを楽しみにしています。
マサおじさん
2008/12/29 10:33
本当にマサおじさんのおっしゃるとおりだと思います。
マサおじさんはサラッとお書きになってますが、こんなふうに実践されるのがどんなに難しいことか…!

>治療者も患者・利用者も共にこのことを認識する事が必要だと思います。
おっしゃるとおりだと思います。
私は、提供者側からもっと積極的に当事者の方がリハに主体的に関われるように情報交換、指導、助言、援助したほうがいいと考えています。(当事者はどうしても遠慮しがちです)
そうやって考えて場面設定していって、当事者の方からの質問に答えたりしていると、20分なんて本当にアッという間です。
speranza
2008/12/29 21:26
mixiから、マサおじさんのリラクゼーション日記から、お邪魔させて頂きました。

姿勢が、昔と違い今は猫背に成って来ています。
姿勢から、直して行く様に心がけて、1歩づつやって行きたいと思います。

今年は、とても気持ちが楽です。
去年mixiを、友だちに頼んでマイミクにして頂き、年の終わりに、脳梗塞のコミュニティを見付けて、マサおじさんのお話に出会え、又こうして、spernzaさんにも、出会え、今年きっと私は変われると、思います。
それには、皆さんのお話と、自分の努力です。
頑張ってみます。
これからも、お邪魔させて下さい。

宜しく お願い致します m(__)m
Ratと、申します。
2009/01/02 17:06
Ratさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

みんなで智慧をもちよればきっと道がみつかるのではないかと思います。
Ratさん、がんばってください。
応援しています。
このウェブログに立ち寄ってくれる人たちもきっとみんな応援してくれてると思います。

どうぞよろしくお願いします。
speranza
2009/01/02 19:54

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