『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 歩くときには良いほうの足の動きに気をつける…具体的注意の体験編

<<   作成日時 : 2008/12/05 23:05   >>

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ちょうど今日体験しました。

Aさんは右大腿骨頚部骨折術後の方です。
平行棒で左足の踵から親指歩きを練習していただきました。

ほぼこの歩き方ができるようになったので
できるかな?早いかな?と思い
「試しに正面を向いて踵から親指歩きをしてみてください」と言いました。
そのとたんに
つまり、正面を向いて歩き始めたとたんに
踵から親指歩きができなくなって「べた足」となってしまったのです。
しばらくやっていただきましたが
「べた足」から切り替えることはまだ難しそうだったので
「大切なことは左足の踵から親指を意識した動きなので
下を向きながら足の動きをしっかりと練習しましょう」と声をかけました。
そうしたらとたんに
つまり、下を向いて歩き始めたとたんに
踵から親指歩きができるようになったのです。

しばらく練習していると
Aさんのほうから声をかけてくれました。
「今までどうしても右足のつまさきが外を向いていたけど
今は右足のつまさきがまっすぐ前に出るようになった。」
そのとおりなんです!
「Aさん、良かったですね。地道な練習ですけど続けていきましょうね。」

Aさんは脳卒中後遺症ではなくて骨折後の方ですから
歩き方の問題…というのは「麻痺」だけでなくて「身体の使い方」にもある。
と言えるのではないでしょうか。
そしてAさんの背中もかわいそうなぐらいにバリバリにこっているんです。
Aさんは術後しばらくはT杖で歩けていたのに段々歩けなくなった…とおっしゃいます。
リハの常識的には
「筋力低下して歩けなくなった」と落ち着くのでしょうが
私は違う捉え方をしています。
歩けてはいたけれど適切な身体の使い方ではなかったから
そのまま歩き続けると身体に危険なので歩くことを身体が回避した。のではないかと。
ちなみに私はこの踵から親指歩きは
Aさんのように脳卒中以外の障害をもつ方にも挑戦していただいています。
身体の使い方が低下するのは脳卒中だけでなく骨折や認知症をもつ方にもよくあることなんです。
つまり「べた足」はとても多い。

(後日、書きますが「ベタ足」は修正すべきもの…というとらえかたではなくて
「べた足」はその人の身体を守っている…けれど
その上をめざすなら「べた足」から脱却しないと上にすすめない
そのためには「べた足」だけを「修正」するのではなくて
「べた足」を身体全体の安全確保としてのはたらきと認めたうえで
安全確保しながら「べた足」を「卒業」できるようなはたらきの練習をする
…そういう『考え方』が大切だと思うのです。
言葉遊びのようにとられるかもしれませんが
言葉が示すニュアンスや意味の違いというのは
とても大きな影響があると感じているので…。
くどいようですみませんが、ここはとても大切だと思うので…。)

ちょっと話がズレてしまいましたが
Aさんの体験を通して私が言いたかったことは
正面を向く…背筋を伸ばすことを促す
…重心の高さを前より少し高くしただけでも
その変化に対応して身体のはたらきを切り替えるのは難しい。時間がかかる。ということです。
だから、安易に「姿勢を良く」とか「下を見ちゃダメ」とか「背筋を伸ばして」とか言えないのです。

ここで私は「正面を向く」という間接的な言葉を使いましたが
これは意図してやっていることで
「背筋を伸ばして」という直接的な言葉を使ったら
逆に過剰に背筋をはたらかせることになり
さらに「べた足」は強くあらわれたにちがいないと確信しています。

私がAさんを担当して今日で3日目。
今度お会いするときに、もう1度もっとしっかり前脛骨筋を確認してみようと思います。











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コメント(8件)

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>つまり、正面を向いて歩き始めたとたんに
>踵から親指歩きができなくなって「べた足」となってしまったのです。
 前の記事でコメントさせていただきましたが、私もマサにその通りでした。
変な姿勢で外を歩くのは良くないから姿勢を正して前を向いて歩かなくては、との思いで歩いていたのがよくなかっように思います。
 室内で試してみると、『べた足』だと『踵から親指歩き』や『つま先が上げ』が出来ません。すると、足首が上手く動いていないように感じました。そして前脛骨筋の働きも正常ではないようにも思うのです。このことが前脛骨筋に異常を感じているのかも入れないと思うのでした。

マサおじさん
2008/12/06 12:27
>私もマサにその通りでした。
のマサおじさん、コメントありがとうございます(笑)

もしも前脛骨筋に変化があらわれるようなら教えてください。
私も今までサラッとしか確認しなかったところなのでもう1度注意深く確認しなおしてみます。
何か気がついたことがあればコメントします。

speranza
2008/12/06 20:54
 麻痺のない右足の「べた足」を治そうと、つま先を上げて、踵からの着地を続けようとしています。そうすることで気づきました。
 べた足で接地していると足首が殆ど動きません。地面を蹴る時にだけ前脛骨筋を使いますから、この筋が正しく使われない。それが原因で前脛骨筋に異常がでているのかなと思いました。
 べた足を止めて、足首が正しく動くと前脛骨筋も正しく使われ痛みもなくなるのではないかと考えています。頭では分かっていても、つま先を上げて、踵から着地をするのは難しいです。歩き始めは出来ているのですが、すぐに「べた足」に戻るのです。根気よく続けたいと思います。

 麻痺の左足は、踵からの着地がスムースです。
マサおじさん
2008/12/13 16:07
マサおじさん、これはあくまでも私の予測で確認してはいないことなのですが、もしかしたら右足で床や地面を踏みしめて…あるいは、ふんばって、歩いていませんか?
立ち上がる時にふんばって立ち上がっていませんか?
speranza
2008/12/14 09:16
speranzaさん
>もしかしたら右足で床や地面を踏みしめて…あるいは、ふんばって、歩いていませんか?
確かにその通りです。右足でふんばって歩いていました。
歩くときに注意します。ありがとうございました。
マサおじさん
2008/12/14 09:33
手すりなどのつかまるところがないと(支えがないと)どうしても右足がふんばってしまうようです。そうしないと倒れてしまう…。身体が身体を守ってくれているので、頭で意識しようとしても一度にいろいろなはたらきを高めようとすると身体も困ってしまうように感じています。
動作の切り替えはすごく難しいことなので、ひとつひとつ始められたほうが身体に無理がきません。(腰や肩などの過緊張を起こさずにすみます)
まずは「歩くときに右足の踵から親指歩き」ができた…という体験をする(脳に回路をつくる)ことが重要なので、右手で壁をつたいながらでも良いから支えを作られたほうがいいと思います。
右足がふんばってしまう…ということはそれだけ不安定な状態なのを身体が身体を守るためにこらえているのだと思います。右足がふんばらずにすむように支えがあったほうが結局は早道だと考えています。まず右足の歩き方の回路をつくること、その次にだんだん支えを少なくしていけばいいのだと思いますが、いかがでしょうか?
平行棒のない環境で歩く練習をする時の注意を最初からもっと明確にお示しするべきでした。
すみませんでした。
speranza
2008/12/14 21:26
時間はかかりますが、身体がそのうちわかって動くようになってきますから、身体を信じて続けてください。

ふんばる…ということについてもいずれ記事にしてまとめるつもりです。その時はご意見ご感想をお聞かせいただければうれしいです。
speranza
2008/12/14 21:29
 室内で、裸足でゆっくり歩くと「右足の踵から親指歩き」が出来るのですが、スニーカーを履いて戸外で歩くと、スタートは良いのですが、いつの間にか、つま先が上がらなくなり、「右足の踵から親指歩き」が出来なくなっているのです。
 しばらくは、室内での練習を続けるようにしたいと思います。

ご丁寧に、ありがとうございました。
マサおじさん
2008/12/14 21:48

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