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zoom RSS 脳卒中をもつ人へのリハと認知症をもつ人へのリハ

<<   作成日時 : 2009/02/18 22:54   >>

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同じ脳の病気ですが、リハビリの方向性はちょっと違います。

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脳卒中によって回路Aが機能不全に陥った結果、身体が思うように動かなくなった。
その場合には、回路Aの代替となる回路Bを再建することがリハビリです。

認知症によって回路Aが障がいを受けた結果、できていたことができなくなった。
その場合には、回路Aを努力しておこなえるようにがんばらせるのではなくて
図でいえば、回路Aの欠損部分はフォローする、その結果、回路Aが機能するようになる。
また、回路Aが機能しなくなったとしても(例えば、それが家の掃除全般だとすると)
回路Dが機能している(例えば、玄関先を掃き清める)のだから
そこはがんばっておこなっていただく。
あるいは、回路A(家の掃除全般)はおこなえなくなってしまったとしても
回路C(食器を洗う)ことはできるから、そこはがんばたておこなっていただく。

認知症をもつ人に対して、周囲の人がとってしまうよくある誤解が
「がんばらなきゃもっと悪くなってしまう」
と、できなくなったことをできるようにがんばらせることなんです。

でも、脳の萎縮によって
今までできていたことができなくなってしまった
記憶のシステムの中の「記銘」〜「保持」の過程で障がいが起こるので
覚えようとしても、体験が脳の中には残らない…覚えられない…のです。

関連する記事はこちら
「認知症についての知識 その7」
http://yoshiemon.at.webry.info/200510/article_18.html
「能力発揮」
http://yoshiemon.at.webry.info/200807/article_23.html

ですから
できなくなってから、できなくなったことをがんばらせるよりも
できているうちに、できていることを喜び大切にしていただきたい
そう思います。

脳卒中をもつ人へのリハと認知症をもつ人へのリハは
リハビリの方向性は違います。
でも、似ているところもあるように感じています。








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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 脳卒中後遺症の高次脳機能障がいに、記憶障害や失語症など、運動機能障がいと別の障がいを併せ持たれる人もいますが、このような人のリハビリも注意が必要だと感じました。
 私は、認知症のことは分かりませんが、脳卒中による運動機能のリハビリと手脚の切断など整形系のリハビリとは基本の考えが全く異なると思っています。このことを記事に書こうと思っています。お立ち寄りいただければ幸いです。
マサおじさん
2009/02/19 16:55
マサおじさん、コメントありがとうございます。

高次脳機能障がいは残ってもADLの自立度は向上するといわれています。このことは非常に示唆に富む知見だと思います。

>脳卒中による運動機能のリハビリと手脚の切断など整形系のリハビリとは基本の考えが全く異なると思っています。
私もそのように考えていました。つい最近までは。
整形系のリハについては、確かにボトムアップのリハが必要です。骨折や筋、腱の断裂、切断など…関節可動域訓練や筋力強化は絶対に必要だと思います。後遺症が残らずに文字通り「元の身体に戻る」可能性の高い場合はそれでよいのだと思いますが、整形疾患でそうでない場合もあります。
例えば、切断や骨折術後の痛みがある場合や膝や腰の変形…といった場合にはボトムアップのリハではなくて、トップダウンのリハが必要になる場合も多々あるように考え始めました。
speranza
2009/02/19 22:01
そして、基本的には課題解決法というのはトップダウンの考え方のほうが状況改善しやすいのと同じように、基本的にはリハもトップダウンの考え方のほうが状態改善しやすいのではないか…と考え始めるようになりました。
脳卒中でも認知症でも整形疾患でも。

考え始めたばかりなので、今すぐには説得力のある記事を書けないのですが、私はとても重要なことのように感じています。
トップダウンの方法論は実はずっと前からそうと知らずに使われていた…けれど、科学的=ボトムアップ、分析的な対応、因果律的思考という流れの中で埋没させられていたけれど、今、あちこちでもう1度トップダウンの方法論が…そうと知った上で日の目を見ようとしつつあるのではないか…そんなふうに感じています。
speranza
2009/02/19 22:02
誤解のないように明確に言うと
脳卒中はもちろん、整形疾患であったとしても、個々の筋や関節ではなくて総体としての身体のはたらきという観点からリハの方法論を考えたほうが良いのではないか…。
逆に言えば、脳卒中の場合、たとえ超維持期と言われる場合であったとしても、麻痺側はもちろん非麻痺側への筋力強化はおこなわないほうがいい…おこなうべきではない。そのように考えています。
speranza
2009/02/19 22:28

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