『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 「動作の意味論 歩きながら考える」

<<   作成日時 : 2009/04/12 20:04   >>

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長崎 浩 著  雲母書房

この人の名前を知らない若手療法士は少ないでしょう。
「基礎運動学」の共著者です。
けれど、この人の著書を読んだことのある療法士もまた少ないのではないでしょうか。

この本は
「動作」ということを広く深く提示します。

物理学を学び、その後リハ領域へ関わるようになったという著者は
2004年に出版されたこの本の最終章で明確に現状と課題を提示します。
これは、療法士に課せられた大きな課題だと考えています。

(本文p.255より)
職域の拡散とICFの登場を迎えて、リハビリテーション医療の専門性を再獲得しようとすれば、一方では、旧ICIDHの医学的な因果モデルへの「退行」とみえる動きが顕在化するだろう。まして、新たに広範な国民がリハビリテーション医療に接することは、医学モデルをかえって強化するように働く。国民はむしろ圧倒的に機能回復、つまりは病気あるいは機能障害を「治す」ことをリハビリに期待する。リハビリテーション医療からすれば、医学モデルへの逆転現象を促すような力が働いている。リハビリは機能回復訓練だというのは誤解だといわれるが、専門職の認識不足に加えて、もしかしたらこれはリハビリについての国民的誤解かもしれない。
これにたいして、生活の質・人生の向上を最重要視するのが他の臨床医学と異なるリハビリテーション最大の特徴だといわれるが、いうところの最重要視はいまや医療全般の掛け声である。このような股裂き状態の中で、見失われているのはリハビリテーション医療に固有の理論であり、この意味での専門性だというべきである。



例えば
ICFで評価はしても
治療計画立案の段階でICIDHになっちゃっている人って多いでしょう?
(筋力強化…って、ICIDHの考え方の最たるものだと思うのですが)
目標を目標として立案できない人って多いでしょう?
(目標が方針だったり、目的だったり、内容だったり…ってよくあります)
対象者に即して設定の方法、考え方を指導する…のではなくて
対象者の目標を教えているだけだから、学生もその人の場合は理解できても
他の人の場合に応用できないんだと思う。
実習の段階で「考え方の道筋」をきちんと指導できる人が少ないから
拡大再生産になっちゃうんだと思います。
昔は見て覚えろ、見て盗め…とか言われたけれど
それもある種の「身体感覚」がないと「見る」ことができないんですよね。

ICFは共通言語…と言われても
言語があらわす概念を理解している人って
そんなに多くはないと感じています。
むしろ、言葉が変わるだけ…って捉えている人のほうが圧倒的に多いように感じています。
(ポジティブケアプランの考え方が出てきた時と同じように…)
このあたりには、もっと根深い課題があるのだと感じています。

このような表面的な混乱としてあらわれているのは
長崎浩が提示しているように、もっと根本的な課題だと感じています。
こういう課題は、むしろ学生や臨床1年目くらいの療法士のほうが
切実に感じる課題なのかもしれません。
(感じていても言語化することは難しいかもしれません…)
だからこそ、問題が潜在化してしまう。
そして、ある程度の年数が経ってしまうと
感じることもできなくなってしまうのかもしれないと思っています。
私は、そのことのほうが危機的だと感じるのですが…

危機意識を煽るだけじゃしようもないけど(苦笑)
ようやく、抽象的な考えと具体的な実践例の両面から
少しは言語化できるようになってきたと思うのでボチボチとまとめてみます。

リハビリテーションの専門家として日々の糧を得るものとして
Rehabilitationの専門家を自称しようとするものの責任として
困難ではあっても、せめて向き合う姿勢くらいは残しておかないと
Rehabilitationを志そうとする人がガッカリしちゃいますよね…。
そして、そのマイナスは
Rehabilitationの恩恵を受けるはずだったのに受けられない
という対象者の不利益を招いてしまうことになってしまいますもの。












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