『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

アクセスカウンタ

zoom RSS どうして介助方法を切り替えられないのか?

<<   作成日時 : 2009/06/24 21:53   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 8

私にとっては、すごく大きな疑問です。

この記事を書く直接のきっかけは
「手引き歩行」http://yoshiemon.at.webry.info/200710/article_6.html
の記事にいただいた愛さんからのコメントですが
私も愛さんと同じような疑問をしょっちゅう抱いています。

こうすればできるよ…
この方法はこういうところがよくないよ…
こうしたほうがお互いラクで安全よ…
このやりかただとこういう悪いことがあるからしないでね…
などなど、言ってみせ、やってみせても
結局は、その職員自身が慣れ親しんだ方法論から介助方法を切り替えられない
…ということが本当に本当によくよくあることなんです。

例えば…
前介助のよくある、股裂きトランスファーはするな…と言ってもやってるし
前方から両手をひっぱるようにして歩かせる方法はするな…と言ってもやってるし
食事介助のこそげ落としはやめろ…と言ってもやってるし

本当にヒドイのは
こそげ落としで食べさせられた体験をして
「こんなに食べにくいとは思わなかった。反省した。」と言っておきながら
また、お年寄りにこそげ落としで食べさせてたりもします。
それには、直接的な目に見えることだけではなくて
潜在する背景としての問題をきちんと認識しておかなくてはいけないとも思いますが
そこにばかり責任転嫁をするのも違うでしょうとも思います。

(関連記事はこちら)
「望ましくない食事介助がおこなわれている?」
http://yoshiemon.at.webry.info/200509/article_67.html
「望ましくない食事介助がおこなわれている その2」
http://yoshiemon.at.webry.info/200510/article_9.html
「食事介助から援助の意味を考える」
http://yoshiemon.at.webry.info/200509/article_10.html

失礼な言い方になるかもしれませんが
相手のペースに合わせて歩行介助できる人って
実はそんなに多くはいないように感じています。
現実問題として
施設内外の職員への複数の研修の場で
「側方からの介助歩行」の体験学習をしてもらっての結果です。
まず、大抵の人は、「歩かせよう」としますから。
(手引き歩行は、歩くことの援助ではなくて、モロ、「歩かせる」方法ですから)
こちらのペースをさぐり、合わせようとする人って非常に少数です。
つまり、ふだんやってないから、できない…のではないでしょうか。

私は、たくさんの人にずっと聞き続けてきました。

(食事介助をどんなふうに教わりましたか?)
「ただ、学生同士で食べさせっこして
飲み込みの確認のことは教えてもらったけど
してはいけないこと、望ましい方法なんて教わりませんでした…。」

(トランスファーをどんなふうに教わりましたか?)
「私の首に手を回してもらって、私は足を相手の両足の間に入れてイチニノサンで相手をもちあげるように教わりました。」

(歩行の介助をどんなふうに教わりましたか?)
「そんなことは教えてもらってないけど、実習場所の人がみんな前から両手をひっぱるようにして歩かせていたのでそういうものだと思っていました。」

みんな、本当のことです。
そして、現在進行形でおこなわれていることなんです。
食べさせる、トランスファーさせる、歩かせる…
あるパターンを教えてもらうだけ。

利用者本位のケアを…と言っていながら
実際のケアの具体的な場面で現実化する方法論をもっていない
そういう考え方自体を教えてもらってこなかったし
自分の中に内発的にも芽生えてこない
…そういうことが1番問題なのではないかと考えています。
(そして、その根っこはとても深いと感じています…)

大切なことは
相手を感受し、伝え合う…身体的介助というのは身体と身体のコミュニケーションだということ。
そして、身体というのは常に身体を守る最善のはたらきをその場その場でおこなっているということ。
それは、お年寄りにとってだけでなくて職員の側にも、常に双方向で起こるということ。

普通に考えれば
ごくごく自然で当たり前のことだけれど
あまりにも見過ごされてきてしまっていることのように感じます。

でも
食事介助の記事にしても、手引き歩行の記事にしても
こんなにたくさんの方が閲覧してくださっている…ということは
やっぱり、みんな、どこかで何となくでも違和感を抱いている人がいる
…だからこそ…のようにも感じています。









テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
トランスファについて今、迷っています。ここに書き込むのが良いか・・?なのですが。全介助の人のトランスファなんですが、足を間に入れるやり方をほとんどの介護の方が行なっています。そこで、足を入れないやり方をと勉強しているのですが、私自身全介助の人に足を入れない前からの介助というのがうまくできません。抱え込んだりするやり方もあるのですが。。前から足を入れないでうまく介助するというのはどうすればよいのでしょうか?
かず
2009/07/17 19:17
かずさん、コメントありがとうございます。
かずさんと同じ疑問を抱いてもコメントしにくく感じていた方もいらっしゃったかもしれません。

お尋ねの件ですが
私が前方から足を間に入れての全介助の方法の良くないと思うところは、目的が曖昧(今後、トランスファー時に本人の能力発揮、向上を意図するのか、あるいは全介助の円滑性、快適性を意図するのか、どちらの目的なのか介助者側が明確にしていないのではないか)なことと、どちらの目的を選択したとしてもご本人も大変、介助者も大変で目的に合致しにくい方法だと思います。
speranza
2009/07/17 21:46
ある程度、下肢でお身体を支えることができてトランスファーを荷重の機会としてとりいれるなら、前方からご本人の両膝を外側から固定するのはいかがでしょうか?
膝折れのおそれがなくて協力が得られれば、相手の頭を介助者の腋下に入れてしまう方法もあります。
完全に全介助なら、スライド法…あるいは半膝立ち位になって相手の上体を肩で支えるなどもあります。

文字だけではイメージしにくいと思いますので、本の紹介をします。
私は読んだことがないのですが、たぶん上記で紹介した方法が掲載されているように感じました。
DVDがついているので動きがわかるのが良いと思います。
「もっと!らくらく動作介助マニュアル―寝返りからトランスファーまで」
https://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/9784260334020.html
医学書院の本ですが、表紙の拡大ができるこちらのサイトを紹介しました。
お答えになったでしょうか?
speranza
2009/07/17 21:48
 実は今、新人の介護職の人にトランスファを教えているんです。それで、基本のやり方を教えてというところでちょっと迷っています。ちょうど練習していると他の介護職の人たちもパラパラと集まってくるのでこれはいろいろ伝えるのにいい機会だなと思っているんです。相手の頭を脇下に入れてしまう方法も少しやったんですがベテランの人は「いいかもしれない」とやってみてくれたので広まってくれればいいなと思っています。ただ、新人さんにはちょっとむずかしいのかな?とも思って。少しでも支持できる人の介助は足を入れなくてもうまくできるんですが、完全に全介助の人の前からやる基本(?)的な方法としては相手の足を引き出してから間に足を入れるようなやり方でもいいんじゃないかと思ったんですがどうでしょうか?
 ご紹介いただいた本、さっそくアマゾンで注文しちゃいました。勉強してみます。
かず
2009/07/18 00:00
引き出しの数は多いほうが良いとは思いますが…
ご指摘の方法では、足下の確認、安全確保が難しいと思います。県内の介護職の人に実技を講習している介護士の人は、意図していなくてもセクハラみたいになってしまうので、両足の間に足を入れる方法は教えていない…と言っていました。ですので、ご指摘の方法を使う時には、それらのことを意識化した上で使うことが大切だと思います。

もう1つ感じたことは、トランスファーの「基本」として、伝えたいことって何でしょう?

トランスファーも数ある動作の1つですが、私たちが引き出しの数を多くするのは、単に選択肢を増やすだけではなくて
それをきっかけとして、応用する、活用する、創意工夫しやすくなる…トランスファーでいえば、○○さん向けトランスファーを開発できるようになるため…なのではないでしょうか。
speranza
2009/07/19 18:17
自分がしている動作介助の方法について、なぜその方法で介助しているのか明確化しながらおこなっている人って本当に少ないですよね?
トランスファーでできないことが他の動作介助でできるんだろうか?目に見えない対話においてできるんだろうか?

1番大切なことが1番おろそかになってしまっているように感じています。
speranza
2009/07/19 18:18
 ○○さん向けトランスファ。そのとおりだと思います。利用者さんの数だけトランスファの種類(?)というかその方に一番あったやり方があってでそれを伝えることが大事だと思います。この人はどの程度の動作能力があってこれからこうなってほしいからこんな介助をする。ただ、そこまで考えてケアしている介護さんは少ないんですよね。そこを伝えていきたいと思います。

かず
2009/07/20 20:39
 ただ、前からの足を入れる介助についてまだ迷っています。(しつこくてすみません)。実は介護さんたちに足を入れないほうがいいということで介助法を伝えていると自分より体の大きい人を全介助するには足を入れて密着しないと腰に負担がかかって大変だと言われたんですね。実際やってみると重い人を離れて介助するのはやはり大変です。そこで、スライド法や抱え込む方法を教えればよいのかもしれませんが、いきなりそういう方法は怖いと。(私自身もまだ教えられるほどうまくできなくて・・)
 まだ利用者の名前もちゃんと覚えていない新人さんには100パーセント全介助の方のトランスファはどう教えたらよいのか?安全確保や足下に気をつけることを前提に足を入れるやり方を教えて良いのか?ちょっと不安です。
 私自身スライド法や抱え込むやり方をもっと人にきちんと教えられるように勉強していきたいと思います。(本も届きましたのでこれから勉強します)
かず
2009/07/20 20:56

コメントする help

ニックネーム
本 文
どうして介助方法を切り替えられないのか? 『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる