『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 「傷はぜったい消毒するな」

<<   作成日時 : 2009/07/26 11:33   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2

すごいです!!!

夏井 睦 著  光文社新書 840円
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334035136

著者は、はじめにの中で
「傷は消毒してガーゼを当てる」という治療が
科学的根拠のない単なる「風習」に過ぎないことに気がついた…と記載しています。

「皆がしているからしている」ことへ疑問を呈し
傷の治癒過程にそった新たな治療を提案したところ
従来の「風習」にこだわる医師から猛反発を招いた…とのこと。

著者の提唱する「湿潤療法」の説明から
なぜ「正しい」考え方が攻撃されるのか…というパラダイムシフト時の抵抗について
皮膚と傷と細菌の絶妙な関係から
生きている動物は皆、常在菌と共生している…ホモサピエンスという単独生物種は存在しない
身近な化粧やシャンプー、洗顔の「常識」から
生物進化の過程と皮膚について
…と広く深く思考を展開させていきます。

私がこどもの頃から
ケガしたらバイキンが入らないように消毒…というのは
親からも先生からも繰り返し聞かされていた言葉です。
私自身もこどもにそうやって伝えて実行してきた…
確かに私も痛かったし、こどもも痛がっていた…
ケガといっても大きなケガじゃないけれど
私は、「常識」の被害者であり,同時に加害者でもあり、伝達者でもあった…
こうやって
「常識」についての「刷り込み」がおこなわれていくんだ…と思いました。

この本の中に
かつて19世紀に多発した産褥熱に対して
医師の手洗い実践を呼びかけたゼンメルワイスが
当時の学会から猛反発され医学界から追放されたことが記されています。
なんと、その反発の根拠は
「医師は手洗いなんかしないのがしきたりだ」「面倒くさい」

現代の私たちからすれば、コトの正邪がどちらにあるかなんて議論するまでもない
そのくらい明白なことなのに、当時はまったく反対に正しい側が攻撃されてしまった

今までに私のウェブログでも
「常識」と異なる見解や方法論を提示したことによって
当時の多数派から猛反発と迫害を受ける目にあう…という記事を書いてきました。

ハンセン氏病の小笠原 登しかり
認知症予防の金子満雄しかり
ピロリ菌発見者のロビン・ウォーレンしかり

詳細は「新しきもの 常に謀叛」をご参照ください。
http://yoshiemon.at.webry.info/200906/article_4.html



著者は医学の歴史をふりかえるなかで
トンデモ医療についても具体的に記載しています。
虫垂炎の人にアヘンを投与する…
梅毒に人に水銀治療をする…

読んでいて絶句することばかりでしたが
現代の私たちからすればトンデモ医療でも
当時の人たちにとっては「正しい」医療だった。
だとするならば
現代の私たちにとっては「正しい」医療、リハ、ケアが
何年後かの未来の人たちからしてみたら、トンデモ医療、リハ、ケアだ
…と言われる可能性だってあるんじゃなかろうか?

著者は
「正しい治療だから皆がしているのではなく
皆がしているから正しい治療だと思ったのだ」と書いています。

この言葉を目にした時に
私が常々漠然と感じていたことを端的に言語化した人がいた…!と思いました。

この本はスゴイ!
著者もスゴイ!

とっても刺激的な本です。
目次を見るだけでもこの本のスゴさがわかると思う。
こんなにスゴいことをこんなにわかりやすく表現する著者は本当にスゴい人だと思います。

是非是非、ご一読をおススメします!










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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
反対意見だけでは自分が気に入らないのでこちらにもコメントさせていただきます。

リハの常識が実は間違っているのかもしれない。だから、ずっと考え学び続ける必要があると私も思います。


介護老人保健施設港南あおぞらのブログです!
http://ameblo.jp/konan-aozora/page-3.html#main

>思い込みはご利用者様の不利益につながる。だから勉強し続ける
 という内容の記事がこのブログにも書いてあり、感動しました。

自分もトンデモリハにならないように勉強します。

紹介されていた本、読んでみますね☆
ぷー
2009/07/28 20:36
ぷーさん、反対意見ではないコメントもありがとうございます。

ご紹介いただいたブログの管理人さんは、とてもよく知っている方です。

感動つながりで…
「科学は、本当の現実を扱えない」
という甲野善紀さんの言葉と
「みんなお金の豊かさだとか、愛の豊かさだとか、豊かさがいいことだと思ってそればかり一生懸命求めているけど、ぜんぜん恵まれてはいない」
という桜井章一さんの言葉に感動しました。

「傷はぜったい消毒するな」のご感想もお待ちしています!
speranza
2009/07/28 22:09

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