『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 積み木をひっくりかえす

<<   作成日時 : 2009/09/06 13:55   >>

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こどもみたい…

積み木を積んでいこうとしてかなわず
うわ〜んと泣きじゃくりながら積み木にあたってひっくりかえすこども

自民党という積み木
不景気という積み木
少子化という積み木
その他にも
いろんな積み木があるけど
積み木の前提にあるのは
今の状況の継続を念頭に置いて考える
積み木は変えても自分の積み方を変えたくない…ということなんじゃないかと思います。

養老孟子と内田 樹さんの「逆立ち日本論」に
http://www.shinchosha.co.jp/book/603578/
『システム破綻の原因を「未熟」ではなく「老化」として理解する』
『老害のせいだから、全部一回棄てて、心機一転で一から新しいものを作り出そう』
となっていて
『どうしてシステムが不全であるのは、管理者が「老人」であるからではなく、あまりに「幼児」だからではないかという可能性は吟味されないんでしょう』
『こういうことを言うと人気がない』
という一文があります。

成長=変化ではあるけれど
成熟=変化でもあって
かつて、この国では成熟ということを尊んでいたと思います。
それが、便利になって、アメリカ文化を表面的に取り入れようとしたことによって
(個の確立という厳しい洗礼が日本にはない。
 むしろ、場の雰囲気への従属というしきたりが
 かつてよりもっと曖昧な陰にこもったかたちで根強くあると感じています)
二重の意味で成熟という考え方を失いつつある…
経験という言葉の意味がとても軽くなりつつある…

ある職員の言葉に私はとても驚きました。
「新しい利用者が入ってくるとおもしろい。」

そうでなければ
発見がない…ということ?

私は、何年も担当している方でも
認知症が進行してしまった方でも
だからこそ、発見があっておもしろいと感じているのですが…。

それは
身体の使い方という意味でも
その方の生き方という意味でも

M・ポランニーの「暗黙知の次元」という本に
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480088161/
『新しい思考は、ことごとく、実存的な掛かり合いcommmitmentとみなされるということである。』
『私たちは再び人間の精神に直面し、包括(=理解)を目論んで世界の個々の諸要素に内在化して、絶えず世界の意味を更新していくことになったのだ。』
という一文があります。

老化という成熟の可能性に満ちている人から学ぶcommmitmentを通して
積み木を高く積み上げるだけの使い方ではなくて
積み木を次から次へと買い替えるのでもなくて
目の前にある積み木のいろいろな使い方を私たち自身が試行錯誤しながら発見していくことが
暗黙知という海から絶えず語りかけられている
その波の音を聞こうとするかどうか…なのだと思います。










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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
今から40年ほど前に「戦争を知らない子供たち」という歌がはやりました。僕は中学生でしたが、その頃に気付いたのですが、日本という国は「若者」に特権がある社会だと感じました。今でも、結構若いふりをしてその特権を振り回す…ことは少なくなってきましたが、若い人たちの過ちや失敗をとがめず見守る社会の中で育ったという気がします。成熟よりも成長を見守る社会だったのかもしれません。
アンチエイジングがコマーシャリズムに乗ってもてはやされるようになりましたが、僕は加齢を成熟ととらえたいと考えています。「成長」と「成熟」という言葉は対立する言葉ではなく同義語であってもよいと思います。
土曜日に新しい利用者が入ってきました。表情が硬くスタッフの介護を拒否していました。僕は夜勤の看護師さんでしたので、医療的な処置を懇請されました。
信頼関係や新しい環境への慣れという積み木を積み上げていく作業。それはたった一日ではできるはずもありません。その人を観察をし情報を得ることは、ケアスタッフ側からも安全で安心できる環境であることをその人へ発信していることになります。
社会は賽の河原みたいなもので積み上げても鬼がきて蹴り崩すこともありますが、それでも同じ世界の意味を構築するために生きているのだと感じます。
銀河旋風児
2009/09/06 16:18
銀河旋風児さん、コメントありがとうございます。

成長と成熟…ということについては、いろいろと考え続けてきました。過去の記事になりますが、マズローの欲求段階説について書いた「Esteem」http://yoshiemon.at.webry.info/200712/article_11.htmlや、北米先住民の民主主義について書いた「新しい呪文」http://yoshiemon.at.webry.info/200702/article_7.htmlについても、もしよろしかったら読んでいただいてご感想をお聞かせいただければうれしく思います。

>医療的な処置を懇請されました。
お気持ち、お察しいたします…。

思うのですが…
大変なことがなかったら、施設に入所したりしないのに…と。
そもそも、ご本人にせよ、ご家族にせよ、困っていることがあるから施設のドアを叩くのに…。

かつて、一生懸命生きてこられた方たちが認知症を患っておられるように、今、元気な私たちが認知症に罹患しないとは限らない…。
今、目の前にいるお年寄りは、明日の自分かもしれないのに…。
今、目の前にいるお年寄りにしていることは、明日の自分が
されるかもしれないことなのに…。
speranza
2009/09/06 23:46
もうひとつ、私が思うことは今までいいとこどりをしてきてそれで済んでいたけれど、これからはそうもいっていられないだろうということです。

終戦を機に180度方向転換をした大人。そんな大人に学ばざるを得なかったたくさんのこども。民主主義=迎合なんかではないのに、自己確立のトレーニングも為されず、集団主義は表面的には抑圧されても確固として存在し続けた。
消費社会のターゲットは若者に照準を合わされ、見識のある大人は煙たがられた。

「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」という本の後書きの中で、河合隼雄がこう書いています。
『日本は今なかなか大変なところに来ている。今までは欧米文化の上澄みをすくって取り入れていたが、とうとう根っこのところでぶつからなければならぬときが来ている、と思われる。このような認識の点ではわれわれは共通していると思う。』

「ぶっつぶす」とは言っても何の青写真もない破壊は、さらなる悲惨を招くことはイラクの現実が示しています。
そもそも、ぶっつぶそうとしてもそんなに簡単にぶっつぶせるほど、2000年以上かけて培われてきた核となっている心性はそう簡単にぶっつぶせるはずがない。
河合隼雄が別の書で日本文化と欧米文化の統合ではなくて共存という概念を提唱しているのはとても興味深いことだと感じています。

私には自分がこれから先、積み木をどんな風に扱おうとするのか、扱えるのか、検討もつきません。
ただ、波の音を聞き取れる人間でありたいと…少なくともその意思だけは持ち続けたいと願っています。
speranza
2009/09/06 23:48
ご無沙汰しております。歩行介助についての記事、アドバイスありがとうございました。拝見したのが随分と遅れてしましました。さらにお礼も遅れました。
久々に拝見しましたが、また、考え深いテーマについてのお話でした。と、いっても私のはもっと低次元の疑問かもしれません。
疑問1
何故?を、どうして持たない大人が多いのでしょう?言葉できちんと伝えるすべをいつから失ったのでしょう?もちろん私もきちんと伝えるすべを知りませんが(語彙の狭さと論理的に考える脳の働きの無さゆえかな?)
でも、仕事をしていて思うのです。ブレが大きいどころか、軸の無いことが多い事が介護に専門性や共通・・・もしくは相反した事でも・・・どっちでもいい・・
そこに議論がおこれば・・・
それさえも無い
でも・・・
これは、介護現場だけではないように最近思えてきました。
想像する・・・考える・・・自分の意見を模索する・・・そして、こう思うというように思考や自己理念を作っていく作業が出来ない人が大人にになって、子供を育てているように感じます。
そして、感覚的に捉えた思考ではなく、嗜好が判断基準になっているのが今ではないでしょうか?
・・・・・・・・・・・秘密ですけど・・・・・・・
今晩もちょいヨッパです

2009/09/08 21:39
愛さん、お久しぶりです。
お礼なんてどうぞお気に為さらずに…。
コメントありがとうございます!うれしいです!

>介護現場だけではないように最近思えてきました。
>感覚的に捉えた思考ではなく、嗜好が判断基準になっているのが今ではないでしょうか?
思考ではなく、嗜好とは絶妙の表現だと思いました。
本当におっしゃるとおりだと感じています。
どうしたらいいんでしょうかねぇ…?

最後の一文に、思わずクスッ…です。
お近くだったら一緒に飲みにいけるのに…って思いました!

とりあえずは明日のために…「望みはなくても、光はある」
My Best 呪文です。(笑)
河合隼雄さんからパクリました。
(詳細は、http://yoshiemon.at.webry.info/200906/article_21.htmlをご参照ください)
speranza
2009/09/08 21:59

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