『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 良かれと思ったリハビリで身体が硬くなることもある

<<   作成日時 : 2009/10/09 22:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 8 / トラックバック 0 / コメント 4

動けば動くほどいい…そう思ってる思わされてる方が大勢おられます。

リハビリ…というのは、何にせよ運動「学習」なのですから
ただ単にやればいい…ということでは決してありません。

それは、こどもが学校でいろいろなことを学んでいくのと同じです。

たとえば、
加減乗除ができないのに
方程式が解けるわけはありません。
文字が書けないのに
作文ができるはずがありません。

誰がどうみたって正当な理屈でしょう?

でも、リハやケアの世界では
「リハビリ」というスローガンのもとで
加減乗除ができない人に方程式を解かせようとしたり
文字が書けないのに作文を書かせようとすることがあるのです。

よくあるのが
過剰にがんばって「立ち上がらせ」たり
過剰にがんばって「歩かせ」たり
(「○○せ」がポイントです。
 立ち上がる「援助」、歩く「援助」ではないのです。
 見た目は、まったく同じでも、その意図は驚くくらい身体には伝わるのです。
 このことはまた別の記事で)

ラクに横向けになっていることができずに後にひっくり返ってしまう
ラクに座っていることができずに後にひっくり返ってしまう
それなのに
リハビリで立ち上がりや歩行訓練をさせられている人ってとても多いのです。

もしも
立ち上がり、または、歩くことを介助すればなんとかできるのに
安定した側臥位や座位を保てない
…という人がいたとしたら
(案外、こういうケースってとても多いのです。
 そして、そのことに疑問を抱かない職員がまたとても多いのです。)
それは、多くの場合にはリハビリの方法論が適切でない
…ということがとても多いです。

そのまま、立ち上がりや
(特にふんばって足に力を入れて…という練習は100%おすすめできません)
歩行練習を続けていると
最初はよくても、だんだんと
腰や足に痛みが出たり
立ち上がりができなくなってきたり
…ということがおこってくるおそれが高いです。
同時に
そのような場合でも
早期に適切に身体のはたらきを高めれば
痛みを引き起こさずに動作が再びできるようになってくることもまた多いのです。

以前、私の知っている方で
側臥位になると後方へひっくり返ってしまう
座位を保てず後方へひっくり返ってしまう
という方が他の事業所で階段昇降や杖歩行の練習をしていた
…と聞いたことがあります。
(また、やらせれば、その場はとにかくできる…できかたはともかく…ここがミソです。)

側臥位になれない、座位を保てない
…ということは、単にその動作ができない、という意味ではなくて
側臥位になっていられる身体のはたらき、座位を保てる身体のはたらきがある
ところが、そのはたらきが高まっていない状態なのだ
…ということを身体が現しているのだということなのです。

身体は、こんなにも厳然として現前しているのに
見れども見えず…

身体がだんだんと硬くなってくる
できていたことがだんだんとできなくなってくる

もしも
その根本的な理由が
対象者の側でないところにある…としたら?

現在の「常識」では、筋力低下や廃用という理由づけをさせられている本当の理由が
違うところにある…としたら?

そしてそれは
いまだに、登校拒否「対策」なるものがある
…ということと根っこがつながっているように感じています。

本当は誰のための「はたらきかけ」なの?











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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは!
最近、私も寝返り・側臥位の大切さについて思うことが多いです。

私の勤務先は慢性期病院で、回復期からの転院や在宅生活がつらくなって…という経緯で入院される方が多いです。
リハビリを経験された方もいらっしゃいますが、
「歩く練習をしていた」、「立ち上がる練習をした」、
という方でも寝返りができない。

中には、10年近く側臥位になったことがないとおっしゃる方もいました。

体幹を捻ることができなくて、背中など筋肉がガチガチというケースがほとんどで、そうした場合リラクゼーションや寝返りを練習することで痛みが緩和されてくることが結構あります。
手摺りにしがみついて頑張ることで歩いたり立ち上がったり、という活動の積み重ねで身体が硬くなったようです。

道具の使い方、身体の動かし方などは、私達がもっと的確に伝えなければならないことですね。
まる
2009/10/11 06:55
手っ取り早く「できる」ようになることを求め過ぎてるのでは…
と、反省も込めて感じます。
まる
2009/10/11 07:11
まるさんも同じような経験をされているのですね。

>「歩く練習をしていた」、「立ち上がる練習をした」、という方でも寝返りができない。
>手摺りにしがみついて頑張ることで歩いたり立ち上がったり、という活動の積み重ねで身体が硬くなったようです。

おっしゃるとおりなんです。
立ち上がる練習はしても座ることも寝返ることもできなければ、ベッドで寝ていてご自分で寝返り座ることができないので結局ふだんの生活では全介助になる…という本当にヘンなことが起こってきます。
それなのにガンガン立たせるものだから一層身体が硬くなってしまう悪循環。
背中がガチガチの方は本当にたくさんおられます。
そしてそういう方はたいてい長時間の座位も困難です。

昔、医原病…という言葉が流行りましたが、リハ原障がい…を作り出さないようにしなければ…と思っていますが、なかなかわかってもらえない…ということも多いです。

ですので、まるさんのようにピンポイントでわかっていただけている方に出会うと本当に心強く思います。
speranza
2009/10/11 19:55
>手っ取り早く「できる」ようになることを求め過ぎてるのでは…

私もそのように感じています。
見た目、できていることを追い求め、できかたは問われない…
それって「できた」ことではなくて「やらせ」ですよね?

こういうことってヤマほどある。
あちこちでほころびをきたしている。
教育の場でも
リハの場でも
ケアの場でも

本当に危機的な状況だと感じています。
speranza
2009/10/11 20:01

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