『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

アクセスカウンタ

zoom RSS ディアドクター

<<   作成日時 : 2009/10/11 00:06   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 1

観たかった映画をついに観ることができました!

公式サイトはこちら
http://deardoctor.jp/

西川美和 脚本・監督 
笑福亭鶴瓶 主演

西川美和という人は本当にすごいと思う。
「ゆれる」という映画で初めてこの人の映画を観たのですが
人間の奥深さを冷徹にも温かくも見つめている人だと思いました。

そんな監督が脚本、演出した「ディアドクター」がおもしろくないはずがない。

ここから先はネタバレです。








僻地の医療過疎の村で奮闘する医師、伊野。
実は彼は医師免許はもっていないのだが、医師として医療をおこなっている。
ほのぼのとした村人たちとの交流や診療場面が
時に辛辣に、時に笑いをもって描かれている。

研修生の登場が伏線となり
鳥飼という初老の女性の体調不良をきっかけとして
ドラマは大きく動いていく。

あんなに伊野を慕って下にもおかないもてなしをしてきた村人たちが
伊野が医師免許をもっていなかったと知ると手のひらを返したように一変する。
しかも、自らの態度に葛藤もなく…。

伊野を慕って僻地医療に携わることを告げた相馬と伊野との会話は
痛烈である。

伊野を医師であると信じて疑わない相馬と
鳥飼という女性への対応にゆれる伊野との会話は
「医師の資格がない」
という文字通りの言葉と
その言葉の本当の意味とを
私たちに突きつける。

「資格」とは何だ…?

(資格をもっていないけれど)医師らしい対応をする伊野
資格をもっているけれど医師らしい対応でないと批判される相馬の父

2人の「父」の間で
ひとりの医師としてアイデンティティを確立しようともがく
相馬の個人的な葛藤でもある…

伊野が医師ではないことを知りながら
村人のために
自分のために
「暗に」共謀していた大竹と斎門

でも、それで誰もが幸せだった

終盤、警察官が相馬に言う。
「結局、おたくたちみんなが伊野を医者に仕立て上げていたんじゃないの?」

「〜として」在るように「ふるまい」
「〜として」在るように「接する」

「〜として」という「要請」が、現実を正反対の姿に変えて写し出す…。
目の前で起きていることは
みんなの要請によって映し出された姿…。

私たち自身には
見ることはかなわない「要請」という鏡。

それにしても
出演している役者さんがみんないいんだなぁ…。
鶴瓶も八千草薫もサイコーです。

ラストの笑顔は、
「資格」とか「嘘」とか
全部とっぱらって(全部ひっくるめて受入れて)
生きる…人と人とのふれあいという希望を
ひそやかに
明確に
示してくれたように感じました。












テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
ちょっと書き足したいことがあって、自己レスしてます(笑)

この映画が描いていることって決して他人事ではないと思うのです。
「要請」に「応えて」「ふるまう」
…って本当によく見かけます。
私たち自身の心の奥に埋め込まれている装置なんじゃないかと思うくらい…。

たとえば
新作映画の試写会後の感想で「泣けちゃいました〜」ってたくさんの人が言ってるCMが放映されてるし…
何か事件があれば必ずといっていいほど近所の人が「ちゃんと挨拶する」って言ってるインタビュー映像が放映されてるし…
なんでみんな判で押したように同じ答えをするのでしょう?
泣ける=いい映画?
挨拶する=いい人?
そんなことないぐらいわかりきってることでしょうに…(苦笑)

もちろん編集の段階での取捨選択が為されているとは思うけど、それにしても、取捨選択の根拠っていわゆる「一般受け」「万人受け」するかどうかってことなんだと思う。

空気を読んだ受け応え…と言えば聞こえはいいけど、でもそれって決して自分の意見や感想じゃあないですよね。

映画で手のひらを返したように対応を変えた村人たちが、まったく何の葛藤も感じていないのは、自分自身の言葉ではないからだと思う。
それにひきかえ、相馬が葛藤を感じつつも手のひらを返したような対応をしたのは自己防衛という自我のはたらきがあるからで、だからこそ相馬はあの村を出なくてはならなかったのだと思う。
同じ対応でも村人たちと相馬のそれとは全く異なっている。

けれど
無自覚に村人のような対応をする人って、上記に例示したように案外とても多いように感じています。
speranza
2009/10/11 20:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
ディアドクター 『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる