『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 脳卒中後遺症をもつ方のリハビリ体制の現状をふまえて…本人家族ができる自主トレD

<<   作成日時 : 2009/11/09 22:54   >>

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「肩の支えを作る」

麻痺側上肢にとってのリハビリで特に大切なこと

それは大きく分けると
筋緊張を亢進させない
指の動きを引き出す
肩の支えを作る
…の3つだと考えています。

この記事では、肩の支えを作る方法論について書いていきます。
肩の支えは、腕の重さそのものを支えるために必要です。
脳卒中になる前は
私たちは自然に腕を動かせていたので
腕に重さがあるということを自覚しにくいものですが
片腕1本で3〜5kgあると言われています。
(米袋をご想像ください。
 どれだけの重さを肩が支えているかイメージしやすいと思います。)

ただし、
肩は本当に気をつけていただきたいと思います。

なぜか…と言うと
脳卒中後遺症をもつ方で肩の痛みを経験されたことのある方というのは
とても多いからです。

しかも
良かれと思っての頑張り過ぎや
○○しないでください…の重要性や意味が伝わらずに
きちんと守れなかったりしていることがとても多いように感じています。

肩の運動は
状態によって方法も異なってきますが
座った状態でなんとか麻痺側の手で
顎に手が届く…胸の高さまでなら手が上げられる…という人ではなくて
なかなか手が動きにくい…という人を対象にして
腕が動くようになるための回路作り…として書いてみます。

まずは
あおむけになって行います。

両手の指を指同士が交互になるように組みます。
この時に、麻痺している方の親指が上になるように指を組んでください。
(この親指と人差し指の間の水かきのような部分を伸ばしておくことが大切なのです)

この時にお身体が硬くて
上記のように指が組めない…という方は
麻痺側のてのひらを見えるように上にした状態で
その手を非麻痺側の手で下から支えるようにして持てるでしょうか?
(この時に麻痺側の手のひらが下、つまり手の甲をみるような姿勢は
 絶対に避けてください。
 どうしても手の甲をみるように、つまり、手のひらが下になってしまう
 …という方は、これから書く方法は申し訳ないですが、為さらないようにしてください。
 そのような状態で運動すると肩を痛めてしまうからです。)

両手を組んだまま
ゆっくりとちょうど90度くらいまで
(寝ているお身体に対して直角くらいまで)動かします。
この時に、非麻痺側の手で麻痺側の手を決して引っ張らないようにしてください。
手を下ろす時にもゆっくりと下ろすようにしましょう。
手がバタンとお身体の上に落ちてしまうようなやり方は
肩を痛めやすいのでよくない方法です。
気をつけていてもどうしても落ちてしまう…という時にはこの運動はしないようにしてください。
最初は非麻痺側の手で麻痺側の腕の動きをサポートするようなつもりで
だんだんと非麻痺側の手は麻痺側の腕の重さだけ支えるようなつもりで
なさってみてください。

また
指を組もうとしても組めない…という状態の時や
上の運動が難しい…という時には
座って運動してみてください。

できるだけ両方の指を組めたら組んで
組めない時には麻痺側の手のひらを下にして非麻痺側の手で支えるようにして
麻痺側の足の上におきます。
そのまま、非麻痺側の手で動きをサポートしながら
麻痺側のふとももの上をいったりきたりするようにして動かします。
可能なら麻痺側の足の膝が少し股関節よりも高くなるように
20センチくらいの足のせ台の上に足をのせたり
麻痺側の足を非麻痺側の足の上にのせてみたりすると
やりやすいかもしれません。

よくテーブル拭きの練習をするように言われることがあると思いますが
ダランとした麻痺の状態の時には
あまり大きく左右に動かさない方がいいと思います。
横方向に大きく動かしすぎると肩を痛める可能性がありますから
左右の横方向よりも前後の方向を中心にされたほうがいいと思います。



不思議かもしれませんが
末梢が動く…ということは
同時に中枢が安定する…ということでもあるのです。

末梢(ここでいう指)の運動は
動かしているのは指だけれども
同時に目に見えて動いてはいない肘や肩の筋肉をはたらかせる練習にもなっているのです。

ですから
肩の支えをつくる…といって
いきなり肩に重みをかけるような運動をすることはありません。
そのような運動は場合によっては肩を痛めてしまいます。

指に動きが出る
肘の曲げ伸ばしができるようになった
…というのは
その部分の動きという意味でもすごいことですが
より身体に近い部分の肩も同時にはたらいているのです。

そして
中枢(ここで言う肩)がはたらけるようになると
末梢(指)も動きやすくなります。

身体はつながっているのですから
常に相互に作用しているのです。
脳卒中後遺症という状態の中でも相互に作用しているのです。
(より作用しすぎている…とも言えるのかもしれません)

その意味で
肩甲骨の動きはとても大切です。
けれど、これを自主トレとして療法士の関与なしに適切にするのは難しいと感じています。
なので今回はそこには触れずに
比較的安全で比較的やりやすい方法だけ書いてみました。

このような運動をすると、最初は疲れやすいものです。
お身体が張ったり重く感じたり思うように動かなくなったら
休み時、と思ってそこまでにしてください。

1度に100回などと連続するのではなくて
1度に5回、10回でもいいのです。
後は1日3回の食事の前と後にそれぞれやるだけでも
6倍もの回数(1度に5回なら30回、1度に10回なら60回)がおこなえます。

1度にやる回数は少なく、でも、頻回におこなう
そういうやりかたが大切です。

そして
運動し終わったら
リラクゼーションも為さってください。
面倒くさい…という方は
「簡単ホットパック」で温めるだけでも違います。
http://yoshiemon.at.webry.info/200812/article_15.html










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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 肩の自主訓練は注意が必要ですね。
 回復期リハビリテーション病院に転院して数日後に、同室の人が退院しました。
 酒屋さんのご主人でした。

 ところが、しばらくして訓練室で再会したのです。
 どうしたのか聞くと、
「上肢は出来るだけ使う方がリハビリになると思い、重い物を必死で持ち上げたり運んだりしていたら、上肢全体に痛みが出て動かせなくなった」。
「また、しばらく入院してリハビリです」。
 とのことでした。
 この時に、肩の訓練は注意しないと危険であることを知りました。

 とにかく自主訓練には、無理や頑張りすぎは禁物だと感じています。

マサおじさん
2009/11/10 10:47
マサおじさん

おっしゃるとおり、自主トレはもちろん、リハビリそのものに無理や頑張り過ぎは禁物だと思います。

結局のところ、リハビリ場面でROM訓練やその他「痛くても頑張る」ように声をかけられたり、無理してでも頑張るという体験をしてしまったとしたら、自主訓練でもちょっとぐらいの痛みは我慢してやろう…と考えるのではないでしょうか。

リハビリで無理はするな、頑張り過ぎは禁物、その目安は…ということを教えてもらっていたとしたら、似たような場面での「類推」がはたらくのではないかと思います。

ご自宅での自主トレがスムーズに行えるようになるためにも、病院入院中施設入所中からの自主トレが(体験という意味でも)必要だと思いました。
speranza
2009/11/10 21:48

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