『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 脳卒中後遺症をもつ方のリハビリ体制の現状をふまえて…本人家族にできる自主トレB

<<   作成日時 : 2009/11/05 00:03   >>

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「指の筋肉をほぐす」

麻痺側上肢にとって大切なこと

それは大きく分けると
筋緊張を亢進させない
指の動きを引き出す
肩の支えをつくる
…の3つだと考えています。

ここでは
指をほぐす(筋緊張を亢進させない)ということについて書いていきます。

今現在で、
指が硬く握り込んでいる…という方は
まずはリラクゼーションをしましょう。
(指がタランタランに柔らかい状態の方は為さらないでください)

指だけが硬い…ということはあまりありません。
二の腕や背中、腰などが張って硬くなっていることのほうが多いのです。

ですから
指の運動をする前にまずお身体をほぐすことができたら理想的です。

リラクゼーションと言うのは
よく言われている関節可動域訓練…ROM訓練ではありません。
個別の筋や関節ではなくて身体全体をリラックスさせるものです。
そして一部に誤解もあるようですが
リラクゼーションは脱力を図るものではありません。
亢進して硬くなってしまった筋の正常化を図るものです。
脱力してしまっては、その後の肝心の動きを引き出すことが難しくなってしまいます。
これらは似て非なるものなので区別をきちんとつけていただきたいと思います。
リラクゼーションは目的ではありません。
リラクゼーションをして筋の緊張を正常化することができて初めて
運動学習のレディネスができた…ということになると考えています。

もうひとつは
自主トレですから、どうしても頑張るので硬くなってしまう…ということもあるかと思います。
新しい動作を身につける過程で生じることでもありますが
だからといって放置することもできません。
そんな時にリハビリ後のお身体のメンテナンスとしてもリラクゼーションは有効です。

具体的な方法については
過去にリラクゼーションの記事を複数書いてきましたので以下に再掲します。


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リラクゼーション…基本的な心構え
http://yoshiemon.at.webry.info/200812/article_17.html

リラクゼーション…実際のやりかた その1
http://yoshiemon.at.webry.info/200812/article_33.html

リラクゼーション…実際のやりかた その2「自分でほぐす方法」
http://yoshiemon.at.webry.info/200901/article_12.html

リラクゼーション…実際のやりかた その3「誰かにほぐしてもらう方法」
http://yoshiemon.at.webry.info/200901/article_14.html

リラクゼーション その4「関連して」
http://yoshiemon.at.webry.info/200901/article_17.html


********************************************************

それでは
ここからは、指のリラクゼーションについてご説明します。
これはご自分だけではできませんのでどなたかにやってもらってください。

できれば背もたれのある椅子にゆったりと腰掛けてください。
仰向けに寝てやるよりも座って
ご自身で動かされている指の動きを目で見ながら動きの感覚に意識を集中することが大切です。

まず、ゆっくりと麻痺側の指を伸ばしていきます。
伸びるところまででいいです。

まず、親指の第一関節を持ってゆっくりとリズミカルに回します。
そうすると段々と抵抗感が軽くなってくるのを感じると思います。
完全に硬さがなくなるまでではなくて途中で指を変えます。
次に人差し指の関節の横側をもって同じようにリズミカルに回すように動かします。
中指は最後にして次に薬指、小指…とおこないます。
どんどん抵抗感がなくなってくるのを感じたら
最後に中指を回すようにして動かします。

私の経験では中指が硬い…という方が圧倒的に多いです。
よくMP関節(指の付け根の関節)に拘縮がある…という人が多いですけれど
それは見かけ上で実際に確認してみると中指のPIP関節(指の付け根のすぐ上の関節)に拘縮のある方が多いのです。
リラクゼーションの基本は簡単なところ…すぐにリラックスが得られるところから始めるのが基本です。
なかなかリラクゼーションが得られにくいところは1番最後にまわしてください。

それから、大切なことは指の腹には触らない…ということです。
指をもつ時には、指の背と腹をもつのではなくて、指の横側をもつようにしてください。
指の腹をもつと、そのことが刺激となって筋肉がグーッと曲がりやすくなってしまうからです。

このリズミカルに順番に指を回すようにしていると
抵抗感がすっかりなくなってきます。
そこを確認してから、ストレッチをします。
大多数の療法士がこのようにリラクゼーションをしてからストレッチをするのではなくて
いきなりストレッチをする人が多いようですが
そのやりかたでは危険です。
外力をかけてのストレッチでは見た目関節が動いていたとしても
中の筋肉がリラックスしていなければ
筋緊張がかえって亢進してしまう…ということもしばしば起こります。

筋緊張が亢進した結果として
筋肉の長さが短縮して
関節が動きにくいのですから
筋緊張をゆるめて
筋肉が伸び縮みしやすい状態を作ってからストレッチすれば
負担をかけずに関節が動きやすくなります。

でも
いきなりストレッチでは
筋肉が伸び縮みしにくい状態なのに
無理に筋肉を引き伸ばし関節を無理に動かすことに他なりません。

ROM訓練と称して
療法士に無理矢理ストレッチをされて
「痛い」と訴えても
「痛くても我慢しなければ硬くなっちゃいますよ」
「もうすぐですからね〜」などと脅したりすかしたりされて我慢を強いられた経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。

「痛い」のは痛くなるようなやり方をされていたからで
「痛い」と感じるのは正当です。
痛くないやりかたがあるのです。

そして、ストレッチをする時に気をつけていただきたいことは
過度に関節を動かさないように…ということです。
手首は反らしてもいいですけれど、指の付け根の関節は反らさないようにしてください。
それから、親指のストレッチをする時にも気をつけてください。
親指を手のひらと水平に伸ばす人は多くても
親指を手のひらと垂直に伸ばすことを心がける人は少ないのです。
親指の親指たる所以は対立運動です。
(親指とその他の指の指先をそれぞれくっつけるような動き)
垂直方向に親指を伸ばしておかないとこの動きができなくなってしまうので気をつけてください。

この後に指の動きを引き出すリハビリをやると効果的ですが
時間がない、忙しい、かったるい…という場合には
これだけやっておくだけでも違います。

そして
指が伸びたらご本人の非麻痺側で麻痺側の指を動かすこともしやすくなると思います。
ご自分の手でご自分の指を動かすのもとても良いことですので時間をみつけてなさってみてください。

また
介助するほうの人も
ご本人も
指をリズミカルに回されている時の指の動きの感覚に意識を集中して
抵抗感の変化をしっかりと感じとるようにしてください。
慣れてくると目で見ているだけでも変わった瞬間というのがわかるようになってくると思います。

リラクゼーションは他人にやってもらうことではありますが
やってもらいながら世間話などするのはもったいないことです。
動きの感覚に集中していると
リラクゼーションに要する時間がどんどん短縮されてきます。
(このことは何を意味しているのでしょう?)
療法士とのリハビリの場面でもそうですが
常に主体的参加が一番大切。
なにごとも恊働作業ですから。












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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 ちょうど1年ほど前に、腰下肢痛の件で歩き方とリラクゼーションの事を勉強させていただきました。
 ご指導も頂きました。

 時間はかかりましたが、歩くときの腰下肢痛は随分と軽減されています。
 感謝しています。

 そして、再び上肢の訓練にもリラクゼーションが必要であるとの記事に接し、私たちには上下肢を動かすときにはリラクゼーションが必要であることを再確認しました。
 ありがとう御座います。
マサおじさん
2009/11/05 14:11
こんなことを言うから変わり者扱いされるのかもしれませんが
(私にしてみたら何故他の人が疑問に思わないのか…そちらのほうが不思議ですが)
脳卒中後遺症をもつ方へのリハにおいて、実は対象者の能力低下の原因が誤用にあるのではないか…という疑念が日々強まる今日この頃です。

上下肢だけでなく体幹の筋もふくめて、リラクゼーションの重要性はどんなに強調しても強調しすぎることはないと感じています。
speranza
2009/11/07 00:27

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