『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 寝ていても筋肉ははたらいている

<<   作成日時 : 2010/04/22 20:27   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 2

座っているだけでも筋肉ははたらいている

じっとしていると
筋肉を使わないから「廃用」が起こる
…ってよく言われています。
そして、その「対応」も「廃用に対しての運動」が必要とされています。

でも、ほんとかな?

宇宙飛行士の山崎直子さんが
地球に帰還後に「重力がこんなに重たいとは思わなかった」とお話されています。
「tv asahi」
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/200421012.html?r=rss1&n=20100422055215

私たちは地球で生きている限り、重力と相対しています。
たとえ、寝ていても、じっと座っていても
筋肉がはたらいていないわけがない

重力が常に刺激として入力されているがゆえに
入力を実感できないのと同じように
常に出力されているがゆえに
姿勢保持としての筋肉の出力が実感しにくいのではないでしょうか。

こうやって
パソコンのキーを叩いている私は
指先がキーを叩く…その感覚を知覚できます。
けれど同時に文章入力している時には
座骨や大腿、足底での体重支持という感覚は意識しなければ知覚できません。
それはあたかも
たとえば聴覚において
にぎやかな駅の中を人と語らいながら歩いている時に
その人との会話は明確に知覚できるけれど
周囲の雑踏は背景として意識の後方へ押しやられるかのように…
たとえば視覚において
図と地の判別ができることによって
環境認識ができるように

   関連記事「見れども見えず、聞かずとも聞こえる」
   http://yoshiemon.at.webry.info/200609/article_9.html

じっと座っているということは
私たちは実感しにくいけれど
同じ姿勢…たとえば、座り続けるために
実は、同じ筋肉が同じようにはたらき続けているということです。

寝たきりで身動きできない…ということは
同じ筋肉が同じようにはたらき続けているということです。

従来、言われているように
筋肉を使わない、廃用が起こっているのではなくて
本当は、過用…使い過ぎが起こっているのではないでしょうか。

使い過ぎ…持続的収縮によって
筋の伸縮性が低下し
筋肉が有効にはたらけない
という見た目の筋力低下が起き
その結果、関節可動域制限が起こる

私はそのように考えています。

同一筋の持続的収縮という状態像はそのままにしておいての筋力強化はかえって逆効果
関節可動域訓練は本質的な解決策にはならない
という私の臨床的疑問を解消してくれます。

だから、
寝たきりの人に廃用が起こらないように
関節可動域訓練をするのではなくて
寝たきりの人を同一筋肉の同一収縮が起こっている状態から開放するために
リラクゼーションや姿勢変換をすることが有効なのではないでしょうか。

つまり
同一筋肉の同一収縮を起こして
臥位や座位を保つという方法論ではなくて
その他の筋肉も使えるような臥位や座位をとれる方法論が提示できれば
その方のお身体が
同一筋肉の同一収縮による拘縮という方策をとらずにすむということになります。

暗黙のうちに
あるべき状態像を規定して
その状態像からのマイナスとして現状をとらえた
関節可動域訓練や筋力強化という方法論よりも
ずっと安全に効果が得られると思います。

私のこの考え方の基本は
現状を否定しない
現状を修正すべき状態像として考えるのではなくて
現在の状態像を包含する方法論としてのリハビリという考え方です。














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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
(少し、時間がずれてのコメントですが)

寝ている→同じ筋肉が働いている→その状態からの開放

ということに、とっても納得です。

この記事のことを意識的に思い起こしながら、
その人に必要なリハビリってなんだろう?
って、考えていきたいです。
どりーむ
2010/04/25 10:28
どりーむさん、コメントありがとうございます。

私は「大切なことは誰も見ていないことを見るのではなくて、誰もが見ていることがらのなかに誰も考えたことがないことを考える こと」というシュレディンガーの言葉をよく思い起こします。

現状のリハビリのパラダイムは、異なるパラダイムに包含されるべきものだと考えています。
たくさんの方の現実がそれを要請していると感じています。
私は繰り返しその提案をしています。
その1つがこの記事です。

リハやケアの世界では
任意の場面での方法論について議論されることは多いようですが、ある方法論をとる…ということは、意図していなくてもその方法論が依拠するパラダイムに従う…ということでもあります。
ところが、その前提となっているパラダイムについての議論が為されずに個々の方法論について議論されるという現状をとても不思議に思っています。
ましてや、対応の統一…ということもよく聞きますが、非常に疑問に思っています。

この記事が、在宅介護のカギを握るケアマネの方にリハビリについて思索を深めていただくきっかけとなったのなら、こんなにうれしいことはありません。
これからもよろしくお願いします。
speranza
2010/04/25 19:11

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