『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS OTはAct屋ではいけないと思う

<<   作成日時 : 2010/07/10 20:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2

ActivityをActivityとして
対象者のプラスになるように活用できることが大事だと思います。

Actについては、学生の頃からずっと悩んできました。

身障分野では代償が入ってしまうし
精神分野では評価になっても対象者自身の効果実感とどう結びつくのか疑問だし
小児分野ではこども自身の内発的な意欲を損なうおそれがあるし

Activityによる効果を喧伝する人はいても
逆効果(副作用)に対しての対応
つまり、Activityそのものの必然的な選択根拠について
明確に提示されたことはなく
私自身も聞いても答えられないだろうとどこかで感じていました。
私自身が発見していくしかないのだと

政治屋はいても政治家は少ない
という言葉がありますが
どこかで
Act屋はいてもActを活用できているOTは少ない
ということを感じていたのだと思います。

同時に
Act屋にはなりたくない
という痛切な思いが自分自身にあり
ずっと模索してきたからこそ
今、決して少なくないOTがAct屋になっているにもかかわらず
その自覚がないという現状に
危機感を募らせざるを得ないのだと感じています。

Actは使役の問題とつながっています。

かつて起こった精神病院での患者さんへの使役の問題は
道徳療法から発展した作業療法としての「できることをする」という
良かれと思ってのきっかけから始まった可能性だってあります。

提供者側の無自覚な「Do」「Can」を追い求めた設定は対象者自身を追いつめます。
Actは「Be」をも喚起しますが、同時に「Do」をも喚起する危険性をはらんでいます。
これはコインの裏表のようなもので
常についてまわるという認識を少なくともOTである以上もっている必要があると考えます。

もっと補足説明をすると…
よくあるパターンが
Actありきのプログラム設定です。

今日は「塗り絵」をする
明日は「習字」をする

塗り絵を好む人もいればそうでない人もいる
塗り絵ができる人もいればそうでない人もいます。

ひまわりの絵を下絵の線を無視して青色で塗る人に
「塗り絵」をすることをどう考えますか?

「塗り絵」という工程を分解して
OTRが指定したものに指定した色で手を動かした「結果として」色が塗れた

部分的であったとしても
塗り絵をする…という「Do」ができた
と考えるOTが多いようですが
その人本人にとっての「塗る」という「意味」はどう考えたらいいのでしょうか

OTの脳が対象者の手を使って色を塗らせた
という側面について、どのように考えるのでしょうか

そして、ものごとの大小はあるにせよ
かつて精神病院において行われていた
簡単な掃除や調理の一翼を手伝う…ということと
間違いなく似た側面があるということをどのように考えるのでしょうか

私たちは、OTです。
塗り絵をする…ということが
その人自身にとっての意味あるActであるような
そんな選択ができることが
なぜ、そのActなのかという「必然性」を根拠に選択しているということが
Act屋ではなくてOTであるということの証明だと考えています。

現在、あまりにも
「できることをさせる」そのための工夫や方法論が先行してしまい
「する」ことのその人自身にとっての意味がおきざりにされてしまっているように
そして、そのような現実に対する感受性の低下が
対人援助職全般に起こっているように感じられてなりません。

そして、このようなことを無自覚のうちに感受しているからこそ
お年寄りの多くが家族の意向に反して
デイケアやデイサービスなどへ「出たがらない」のではないでしょうか。

もうさんざんいろいろなものに「従って」生きてきたのに
どうしてまたこんな年をとってまで「従わなくちゃ」いけないのか
「従う」ことで自分へのメリットは何があるのか

そのように感じていても何の不思議もないように思います。

それなのに、安易に
出たがらない=ひきこもり、消極的な生活などというレッテルを貼って
「対応策」を考える…などという現実があります。

何を基準に考えているのか
…ということが1番大切なことだと思います。

「パーソンセンタードケア」や「その人らしさを大切に」などというスローガンは
満ちあふれていますが
どのようにそれらの思想を現実化するのか、具現化していくのか
という観点においては、まだまだ非常に未熟なのではないでしょうか

OTとして
Actという方法論は
効果的である反面、常に「Control」というリスクを抱えているのだという側面に対して
もっとSensitiveであってほしいと願っています。




















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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、ティーディーと言います。
現在、頚椎損傷の四肢不全麻痺のリハビリで入院していますが、興味から検索して、数日前にこちらにたどり着きました。
症例としては当たらないのでしょうが、患者として拝読しております。
間もなく退院の予定ですが、退院後もお邪魔しようかと。
ご挨拶まで。
td
2010/07/11 18:36
tdさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

退院間近とのこと、まずはひと区切りですね。
よかったですね。
蒸し暑い日が続きそうです。
局地的な集中豪雨のニュースも続いています。
どうぞお身体お大切になさってください。

引き続きのご訪問をお待ちしています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
speranza
2010/07/11 22:43

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