『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS 案外、見落とされている食事介助のあれこれ その3

<<   作成日時 : 2010/10/06 21:34   >>

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それは、食事の姿勢です。

案外、多いのが
とにかく座れない方に対しても
強引に上体をまっすぐに起こして座らせようとするケースです。

以前にきっと
「食事の時にはとにかく上体をしっかり起こすように」
と言われていたことがあったのだと思います。

でも
食事介助を要するような方は
たいていの場合に
股関節90度屈曲して骨盤を中間位に保持して座ることが困難な方が多いです。
(そうでない方のほうが少ないのではないでしょうか?)

ふだん、ちゃんと座れない方に
食事だからといって
上体をまっすぐに起こして「座らせれば」
その負担は骨盤と頸部にかかってしまいます。

よけいに仙骨座りがひどくなり
なんとか姿勢保持しようとして
頸部の筋を過剰収縮して代償しようとします。

臀部には過剰な剪断力がはたらいて褥創の原因となってしまうし
頸部筋の過剰収縮は易疲労や誤嚥の原因となってしまいます。

「上体をしっかり起こす」というのは
食事のために適切な座位姿勢をとるための手段であって目的ではないのに
手段が目的化してしまって
よかれと思ってしていることが
結果としてであったとしても
対象者の食べにくさにつながってしまっている

そして、その現実を自覚できない…
(よかれと思って言われていることをそのとおりに実行しているのですから)

そんな現実が多々あるように感じています。

「ちゃんと座りましょう」と言って
上体を起こしてはいても
その実、臀部が前方へすべってしまうようでは
効果がないどころか逆効果です。

その方の座位能力をきちんと把握したうえで
必要であれば
むしろ、座面を後方へティルトさせることによって
安定した座位をつくり
臀部へも頸部へも余分な負担をかけないようにすることのほうがずっと重要です。

食事の時の姿勢で重要なことは
上体をまっすぐに起こすことではなくて
頸部が後屈しないようにすることです。
そして、この時にも大切なことは
頸部後屈しないようにガチガチに固めることではなくて
(かえって食べづらくなってしまいます)
自然な可動域を保つことです。

どんなに良いと言われていることでも
目の前の方に適切かどうか

たとえ、知識がなかったとしても
ちゃんと目の前の方を見ていれば
「なんとなく食べにくそうだな」
「どこがどうかはわからないけれど食べやすそうだな」
という「感覚」はするはずです。

誰かに言われた「良い姿勢」を
目の前の方に「あてはめる」のではなくて
「良い姿勢」と言われていることの「意図」「意味」をすくいとって
目の前の方の利益になるように「活用する」ことが
何よりもまず専門家と呼ばれている私たちが為すべきことだと考えています。

そして
そのためにこそ
知識と技術が必要で
実は
私たちの「アンテナ」と密接に双方向に影響しあうものだと感じています。














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