『 Buon Giorno!』 作業療法士Sより…

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zoom RSS NHK リハビリ革命をみた

<<   作成日時 : 2011/09/08 21:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 10

9/4放送

http://www.nhk.or.jp/special/onair/110904.html

さて…この番組に対するツイッターのTLもちょっと落ち着いたみたいだし
思うところを書かせていただきましょう(苦笑)

そもそも
この番組の意図は
リハビリの新しい知見の紹介…ということに的がしぼられていました。

その目的にそった番組構成としては
非常に明確でわかりやすかったのではないかと思います。

ところが、ツイッターのTLでは
番組批判が多かったのです。

PTOTの区別も説明もない…とか
よくならなかったらどうするんだ…とか
リハ=機能訓練という誤解を招く…とか

うーん。。。

もちろん、OTの端くれとしては、そういう気持ちもわからなくはありません。

でも、番組の意図は
リハの正しい説明…ではないのですから
自分達の気に入るような構成ではなかったからといって
番組を批判するのはどうかなぁ…と思うのです。

むしろ、専門家として
番組の意図に対して
こういう構成にしたらもっとわかりやすいのに…とか
こんなエピソードをつけくわえたらよいと思う…といった提言があれば
納得できるのですが
番組の構成について表面的に批判したって意図が双方ともに食い違っているのだから
有効な批判たり得ないのではないか…と感じました。

ぶっちゃけ
脳卒中後遺症のある方やご家族にしてみたら
リハの提供者がPTだろうが、OTだろうが、そんなことはどっちだっていいと思うのです。

よくなっていくために共に努力してくれる人
適切なアドバイスをしてくれる人

そういう人であれば、PTだろうが、OTだろうが、どっちだっていい
患者さんにとっては
職種名の優先順位よりももっと切実なものがある

それに
川平法だって、方法論そのものは有効だと思うけど
本当に川平法を有効に適用できる人ってまだまだ少ないでしょう?
リハって、どんな方法論だってそういう面があるでしょう?

だったら、この新しい方法論を身につけるなり
少なくともこの方法論の大まかな考え方を知って
必要な方がいた時にタイムリーに情報提供できるように学んでおくことは
専門家と呼ばれる私たちにとって大切なことだと思う。

そして、番組批判をする人たちからは
そのような意見が出されなかったことを非常に残念に感じました。

私は、心底、認知症があったとしてもその人らしさは失われないと考えていますが
だとしても、認知症になるよりは、ならないほうがその人らしく生きやすいと考えてもいます。

認知症がよくなるのなら
よいお薬が出てほしい
その開発に期待を抱いています。

脳卒中に対しても同じです。
脳卒中後遺症がよくなる薬があるのならその開発に期待しますし
脳卒中後遺症がよくなる手技があるのならその方法論に期待します。

impariment機能面に対してのアプローチが成熟すれば
それだけ、他の方法論も成熟した対応がとれます。
impariment機能面へのアプローチの進化と
暮らしのレベルへの対応とは敵対するものではありません。

Re-Habilisとは
常にimpariment機能面を包含するような概念だと考えています。

だからこそ
一般の人は誤解もしやすいのだと思いますが
でも
私たちリハ職が一般の人に理解できるような方法論で提供しているか
というと、そこだって疑問符がつくと思います。

長崎浩は10年以上も前に既に著書の中で予言しています。
これからますます一般の人はリハ=impariment機能面の改善を要望する
果たして、リハ職はリハ固有の概念を提示できるのか、と。

ICFを本当に治療に活かしているリハ職はそんなには多くありません。
それこそが、今私たちがとりくむべき課題なのではないでしょうか。

そんな思いを抱きました。











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なるほど(納得、参考になった、ヘー)
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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
文章を読んで、すごく納得・感動しました。あの番組で批判的な感じがリハ職から多い印象も感じてました。自分もPTとかOTとか関係ないと思います。良くなれば(患者さんのQOL)どんな方法もどんな職種だろうがなんでもいいと思います。PTとかOTとか区別がないって、自分たちのフィールドを守りたいだけのように感じるし、ロボット工学にしろiPS細胞にしろ、自分たちの存在が危ぶまれると考えるより患者さんが良くなる可能性があるものはどんどん入れるべきです!それでリハがたとえいらなくなったとしても、それでいいのでは?(そんなことは絶対ないと確信していますが)
っと、久々に感動してしまい、コメントさせて頂きました。

impariment機能面に対してのアプローチが成熟すれば
それだけ、他の方法論も成熟した対応がとれます。
impariment機能面へのアプローチの進化と
暮らしのレベルへの対応とは敵対するものではありません。

Re-Habilisとは
常にimpariment機能面を包含するような概念だと考えています。

この言葉自分も使わせて頂きます笑
長いコメント失礼しました。

カッサーノ
2011/09/08 23:33
こんばんは。
私も番組をみて、一番めは「それだけじゃないのになあ」と思ってしまったのですが、
でも、「機能をよくしたい」と願う人が多いからこそこうした切り口の番組が作られるのであって、
私達はそこを受け止めなくちゃいけないのかな、と考え直していました。
speranzaさんの記事から、いつも学ばせてもらっています。
あれっ? と批判的な感覚になったなら、どうしてそう感じたのか。じゃあどうするのか。考えるということは本当に大事ですね。
私はいつも、なかなか深いところまでは考えが至りませんが、しっかり考えていきたいです。
まる
2011/09/09 00:01
私も同感です。患者さんの多くは失った機能の回復を求めています。その要望に応えられない現実。ADLが上がっても動きにくい体であることに変わりは無い。もし機能回復に役立つ手技があれば身につけて提供したい。それが活動の向上や必要な作業ができる事に繋がるなら尚のこと。批判するよりもどうすれば患者さんが満足を得られるリハビリが提供出来るのかを考えたいです。
てじゃわ
2011/09/09 00:56
NHKの今回の意図は新しい現在進行形の治療を
紹介していると解釈しているので
そこに対して批判とかはおかしいですよね。
患者の立場にしてみればわらにもすがりたい
気持ちはわかりますし、そこに対して
挑戦している事を考えればそれは
今回の意図は伝わったのではないかと
思います。
私はツイッターをしてないので
わかりませんが、よりよい提言では
なく批判している人がいるとしたら
悲しいことです。
はじめ
2011/09/09 22:59
カッサーノさん
コメントありがとうございます。

>患者さんが良くなる可能性があるものはどんどん入れるべき
私もそう思います。
リハの知見とは常に新しい方法論の模索の上に成り立っていますし、そもそも、科学とは常に過去の知識と技術の修正の上に成り立つ学問ですよね。

極論を言えば、一粒飲めば治るような薬が開発されてリハ職が不要となるような世界がくればいいですよね。
でも、リハの本来の仕事は、治れば本当に不要になるのか、たとえ治るような世界がきたとしても必要性があるのではないか、それは何なのだろう…そう考えると新たな視点も得られるように思います。
要性はあるのではないかと考えています。
speranza
2011/09/10 00:26
まるさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

もしも、脳卒中になったとしたら、誰だって治りたいと必死に願うと思います。
もしかしたら、PTOTほどそう願うのではないでしょうか?
「機能」以外を見ろと言われても、「機能」をとことんがんばった経験がなければ心残りがあっても当たり前のように感じます。

もうひとつ、私が違和感を感じるのは、「機能」とその他と分けて考える思考回路です。
「機能」の問題は急性期だろうが、回復期だろうが、維持期だろうが、常についてまわります。

私が非常に疑問に思うのは、維持期の廃用症候群による能力低下という捉え方です。
本当に対象者の問題なのだろうか?
維持期で機能を適切に把握できなかった
(それはおそらく急性期とは異なる捉え方が必要だが、同じ捉え方をしたために非実用的となってしまっている)
そのことに由来する課題が結果として、廃用という見た目の課題を引き起こしているのではないだろうか
そんな疑問を抱いています。
speranza
2011/09/10 00:36
てじゃわさん
コメントありがとうございます。

>ADLが上がっても動きにくい体であることに変わりは無い
おっしゃるとおりだと思います。
その動きにくさは常についてまわる課題だと考えています。
維持期だからこそ、動きにくさという課題に対する対応が重要なのではないかと考えています。
speranza
2011/09/10 00:42
はじめさん
コメントありがとうございます。

>新しい現在進行形の治療を紹介していると解釈しているのでそこに対して批判とかはおかしい

ほんと、そう思います。
新しい治療法の紹介は、ニーズがあるからこそ企画されたのだと思います。
そこに対して批判するというのは
対象者のニーズを批判したと受けとめられかねません。

PTOTの番組に向けられた批判は、矛先が違っているように感じられてなりません。

speranza
2011/09/10 00:52
日頃あんまり「できた!」と思えることがないのですが、
「この人はどういう人なのか」をとことん考えていく中で、機能を把握する必要があると思っています。
機能を考えるとき、もともとの体の動かし方や習慣、性格などによっても全体像が変わりますよね。そこを間違えたときに、リハビリしてるのに廃用が進行してしまうという事態になるのかな、と思います。
維持期ののんびりした空気は好きですが、そういうところはとても難しいと感じています。
まる
2011/09/10 20:48
まるさん、コメントありがとうございます。

維持期と呼ばれる状態において、脳卒中後遺症のある方は、既に代償動作を獲得しています。
代償できるということもある意味能力ではありますが
代償動作は代償動作
身体の構造が規定する本来の動きと異なる動作を行えば
筋のはたらきも本来の自然な働きとは異なってきます。

維持期において、ある意味代償動作の反復強調を結果的にであったとしても奨励してしまうような能力獲得が行われているのではないか。
その際、行われているROM訓練だけで身体を保護できるのだろうか?という疑問を抱いています。

一生懸命歩く練習を続けているのに腰痛を発症したり、手の訓練を自己流にがんばる人が腰痛を発症したりといったことを数多く見聞きしています。
何故このようなことが起こるのでしょう?

維持期の廃用症候群の問題を量の不足としてだけ、捉えがちな現状に違和感を抱いています。

身体の使い方の再学習、再獲得は常におこなわれていることに確信を抱いています。
たとえ、結果的にであったとしても、維持期において歪んだ再学習を強化するような方法論に疑問を抱いています。
どうしてもそうせざるを得ないなら、次善の策として身体の保護の方法論を提供すべきだと考えています。
speranza
2011/09/10 21:14

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